税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

税法

駐車場付きアパートが相続税の税務調査で否認されるケース!

間違えやすい財産評価 特集第11弾! アパートが10部屋あって、駐車場が10台、住人の為に用意されて、10台を全て住人が使用していれば、 この場合は、その土地は「貸家建付け地」として評価されます。 上記の場合で、9台は住人が使用しているが、1台…

意外と面倒な貸し駐車場の税務 その3 コインパーキングの場合!

未利用の土地を有効活用したいが、アパートを建築する資金はないし、銀行から借り入れるのも気が進まない、という場合、 土地を一括でコインパーキング業者に賃貸するという方式になります。 この駐車場運営会社に一括貸しする形式、いわゆる「一括借り上げ…

意外と面倒な貸し駐車場の税務 その2 舗装路面の場合!

貸し駐車場も舗装路面になると、税務も複雑になってきます。1,所得税法 アスファルト舗装、砂利敷きは「構築物」として減価償却資産に 計上され、減価償却費の計算を行います。 アスファルト舗装 構築物 耐用年数 15年 砂利敷き舗装 構築物 耐用年数 1…

意外と面倒な貸し駐車場の税務 その1 青空駐車場!

個人の貸し駐車場は大きく分けて3つに分かれます。1,青空駐車場2,アスファルト舗装、砂利舗装、3,コインパーキング、 そして、これらに課税される税金も4種類あります。1,所得税法2,相続税法3,消費税法4,固定資産税、償却資産税 不動産取得…

葬式費用になるもの、ならないもの!

間違えやすい財産評価特集、第10弾! 相続人の方から質問の多い「葬式費用」に次のようなものが挙げられます。1,香典返しは費用になるか、 費用になりません。2,49日の法会の費用は、 費用になりません。3、墓碑の購入代金は、 費用になりません。4…

「教育資金の一括贈与」で余ったお金はどうする?

この非課税制度は平成25年に制定されてから何回もの改正を重ねて継続してきましたが、 令和3年度の改正で令和5年まで延長されると共に現在の形になりました。 令和3年度の改正後、改正点を含めて、令和4年現在において「管理残高」がどのような扱いに…

住宅取得等資金贈与の非課税 令和4年度改正!

直系尊属から受けた住宅取得資金に係る贈与は先日のブログで書いた 「3年内贈与加算に含まれない贈与」の一つです。 令和4年度の税制改正で次に掲げる改正がありました。 改正の概要を列記しますと、 1、適用期限が2023(令和5年)12月31日まで…

3年内贈与加算に含まれない贈与!

3年内贈与加算とは、 被相続人から相続開始前3年以内(死亡の日から遡って3年前の日から 死亡の日までの間)に贈与によって取得した財産があるときは、 その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。 最近、この期間が10…

弱い立場の者が泣く事になる改正「インボイス制度」

ホステスさんだって他に行く所のない者は仕方なく課税事業者になって消費税を納めるけれど、 売れっ子のホステスは「そんなこと言うなら他の店に移るから」と言って承知しない。 そしたら、ママさんが彼女たちの消費税を被ることになる。 1人親方だって、特…

1人親方、飲食店、ホステスさん、どうする?「インボイス制度」

最近、決算の打ち合わせで必ず話題となるのが「インボイス制度」です。 免税事業者が発行する領収書は仕入税額控除できなくなるからです。 例えば、 売上100、000千円の建設業者が、外注費として免税事業者の一人親方に70,000千円支払った場合、…

負担付贈与 その2 敷金と同額の現金を同時に贈与!

負担付贈与 その2 敷金と同額の現金を同時に贈与! その1で,通常の負担付贈与,を説明しました。 要約すると、1,負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした贈与である。2,課税価格は時価評価となる。3,取得価額から、引き受け…

相続財産評価の時期、時価とは?

相続財産評価の時期 間違えやすい財産評価 特集第9弾!、被相続人が亡くなった時はアパートが建っていたけど、古く老朽化していたので、取り壊して申告時期には更地になっている。 果たして、貸家建付地で評価していいものか、又は、更地だから自用地で評価…

地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価 その2

前回は角地の例を紹介しました。 今回は、正面路線と背面路線の地区区分が異なる場合です。 正面路線が属する地区の二方路線影響加算率を使用し、加算調整を行います。 上図の計算をしてみましょう。①、正面路線価 奥行価格補正率 800,000円×1.00 = 800,000…

地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価 その1

地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価、その1 間違えやすい財産評価 特集第8弾! 地区とは、財産評価基本通達14-2に記載されている7つの地区です。 ①、ビル街地区、 ②、高度商業地区、 ③、繁華街地区、 ④、普通商業、併用住宅地区、 ⑤、普通住…

無道路地が「無道路地評価」出来ないケース!

間違えやすい財産評価 特集第7弾! 道路に接していないから、この宅地は無道路地評価だな、と早合点すると大きなミスを犯すことになります。 無道路地でも無道路地評価できないケースがあるからです。 まず、無道路地とはどのような土地でしょうか? 無道路…

相続税の納税猶予(法人版)チェックリスト

納税猶予は贈与税の納税猶予をしておくのが正しい順序 だと考えますが、突然、相続が発生する場合もありますので、 今回は、特例措置を受ける相続税の納税猶予(法人版) のチェックリストを作成してみました。 A、納税猶予を受けるための手続き①、特例承継…

「囲繞地通行権」の通行料はいくらが妥当か?

無道路地から囲繞地を通行して公道に至るまでの権利を「囲繞地通行権」といいます。 これは前回説明しました。 さて、ここで2つ問題があります。①、、通行の場所及び方法は、必要で、かつ、他の土地の 損害が最も少ないものを選ぶこと、②、 通行権を有する…

囲繞地(いにょうち)通行権とは?

囲繞地(いにょうち)通行権とは? 民法では他人が所有する土地に囲まれた土地を「袋地」、税法では無道路地といいますね。 そして、袋地を囲んでいる土地を「囲繞地」といいます。 囲繞地通行権とは、 公道に至るための他の土地に通路をつくる権利です。 民法…

貸家建付地評価が出来ない場合!間違えやすい財産評価 特集第6弾!

2021-06-29 10:08:01NEW テーマ:■相続税申告書の作成 貸家建付地評価が出来ない場合! 間違えやすい財産評価、特集第6弾! 今回は「貸家建付地評価」が出来ないケースをお話します。 宅地にアパートを建てたりすれば、次の算式により、評価減ができます。 …

相続開始前3年以内に取得した貸家

間違いやすい財産評価 特集第5弾! 今回は、昭和30年に改正があった、 1、貸付事業用宅地等を取得しても、相続開始3年以内の取得は小規模宅地等の特例の適用は受けられません、という内容です。 貸付事業用宅地等とは、 貸家、アパート、貸し駐車場(構…

妻の「へそくり預金」は相続財産?

間違い易い財産評価 特集第4弾! 今回は専業主婦の「へそくり預金」です。 調査官「この奥様の預金は千数百万円もの残高という多額なものですが、 これはどのような預金でしょうか?」老婦人「この預金は何十年にわたって主人から頂いた生活費を 少しづつ貯…

相続登記義務化の法改正!

近年、2011年の東日本大震災や原発の問題等で、所有者不明の土地のため所有者探索に多大な時間や費用を要する事態が多発し、今後、益々、その傾向が高まってくる予想で、早急に対処する必要に迫られていました。 そこで、令和3年4月28日、次の通り、…

下図の、どちらが正面路線でしょうか?

間違えやすい財産評価、特集の第3弾! 路線価が高いからと言って、正面路線になるとは限りません。下図の、どちらが正面路線でしょうか? 奥行価格補正率 奥行距離 メートル 普通住宅地区 10m以上12m未満 1.0 40m以上44m未満 0.91 原則と…

「私道の評価」との関連<小規模宅地等の特例>

2021-04-18 20:22:55テーマ:├財 間違えやすい財産評価、特集の第2弾! 今回は,私道にも<小規模宅地等の特例>が適用される、というお話をいたします。 国税庁質疑応答事例集に記載があります。 下記に回答要旨を掲げておきましたので参照して下さい。 即…

自筆証書遺言の検認を東京家裁で受ける!

平成30年7月の民法改正の1項目に、「自筆証書遺言の方式緩和」があります。1、 従来、自筆証書遺言は「全文、日付及び氏名」を全て 自書しなければならないとなっていますが(民968①) 高齢者等にとってこれはかなり大変なことでした。 そこで、今回…

平均的な奥行距離を求めて計算する方法<リブログ>

テーマ:├不整形地の評価 こんにちは! 今回は<不整形地評価>の4つの方法の内、 最もポピュラーな、 平均的な奥行距離を求めて計算する方法、です。 不整形地の地積を間口距離で除して 奥行距離を算出します。 不整形地は三角形あり、五角形あり、いびつ…

敷金と同等の現金を同時に贈与した場合の負担付贈与?

前回、土地、建物の負担付贈与について説明しました。 親がローン付き不動産を子供に贈与した場合、所謂、不動産を負担付贈与する場合は、その取引時における時価で評価するというものです。例えば、贈与者(親)借入金4000万円、時価 7000万円、 相続税評価…

負担付贈与 3つのケース その1(通常のケース)

負担付贈与を3つのケースに分けて説明します。 1、負担付贈与の一般的なケース、 2、敷金と同等の現金を同時に贈与した場合の負担付贈与、 3、負担付贈与が逆ザヤの場合、 関連条文 民法553条、551条 2項 相続税法 第7,9条 相続税基本通達9-11…

「代表者退職金」を税務調査で否認されないために!

代表者退職金は金額が大きいために、とかく、税務調査の対象となりやすい。 退職金が否認されると、多額な税金が発生して、そのダメージは計り知れないものがあります。 それでは、退職所得とは何でしょうか? 1、定義 退職給与とは、勤務関係の終了という…

「持分なし医療法人」への移行を考える!

医療法人の顧問先で、規模が大きく、又、地域の医療への貢献度 も高い診療所は、出資のほとんどを所有する理事長の相続が発生 した時、廃業することも出来ず、かと言って、多額の相続税を負担 しても、遺族は何の遺産も取得出来ない、という悲惨な現実が待っ…