平成30年に「貸付事業用の小規模宅地の特例」の改正
に続いての見直しとなりました。
内容は、
1、改正前
相続開始の直前において、被相続人の事業の用に供されて
いた宅地、
2、改正後
相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等については
適用の対象から除外,
(但し、その宅地の上で事業の用に供されている減価償却資産
の価額が、その宅地等の相続時の価額の15%以上である場合
を除く)
3、適用時期
上記の改正は、平成31年(2019年)4月1日以後に
相続等により取得する財産に係る相続税について適用される。
2019年3月31日以前から事業の用に供されていた宅地等は
適用されない。
4、減価償却資産の範囲
上記2で15%以上の減価償却資産の範囲は次の通りです。
イ、その宅地等の上に存する建物(その付属設備を含みます。)
又は構築物、
ロ、所得税法第2条第1項第19号に規定する減価償却資産で
その宅地等の上で行われるその事業に係る業務の用に供されて
いたもの、
ロ,の所得税法第2条は、減価償却資産の定義ですから、
建物、構築物、車両、工器具備品鉱業権その他の減価償却資産、
全ての減価償却資産が含まれると言えるでしょう。
ただ、相続税別表第11⁺11の2表の付表1(別表2)を見ても
相続開始時における価額、とあって、
その価額が所得税申告B/Sの価額か、相続税評価による金額
かは不明です。
そのうち、解説がなされると考えています。
5、改正の趣旨、
国税庁は改正の趣旨を次のように述べています。
令和元年度改正においては、個人事業者に係る事業承継税制
の創設についての議論が行われましたが、その際、この特例
について次のような問題点も指摘されました。
①、相続税の申告期限後短期間で売却できる。
②、債務を利用した節税の余地がある。
③、事業を承継する者以外の者の税負担を軽減している。
こうした指摘も踏まえ、平成30年度の貸付事業用宅地等
に係る見直しにならい、特定事業用宅地等について、
節税を目的とした駆け込み的な適用など、本来の趣旨を
逸脱した適用を防止するため、この特例についても改正する。