税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

負担付贈与 3つのケース その1(通常のケース)


 負担付贈与を3つのケースに分けて説明します。

 1、負担付贈与の一般的なケース、

 2、敷金と同等の現金を同時に贈与した場合の負担付贈与、

 3、負担付贈与が逆ザヤの場合、


 関連条文

 民法553条、551条 2項

 相続税法 第7,9条

 相続税基本通達9-11、21の2-4

ポイント

 1、課税価格は取得価額や相続税評価額ではなく、時価評価。

 2、取得価額から、引き受けた負担額を控除した価額が
  贈与税の評価対象となる。(21の2-4)

 3、贈与者は消滅した債務額でその資産を売却したという
  扱いになり、譲渡所得が生じる。

 4、家屋については「取得価額」とは、その財産の取り壊し
  金額並びに改良費等の合計額から、評価基本通達130

   の定めによって計算した取得の時から評価時期までの
  期間の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額となる。



1、負担付贈与の一般的なケース

 国税庁のホームページに解説されている負担付贈与の説明を引用すると、
次のようになります。

 負担付贈与とは、
 受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます。
個人から負担付贈与を受けた場合は贈与財産の価額から負担額を控除した価額に
課税されることになります。

 この場合の課税価格は、贈与された財産が土地や借地権などである場合
及び家屋や構築物などである場合には、その贈与の時における通常の取引価額
相当する金額から負担額を控除した価額によることになっています。

 また、贈与された財産が上記の財産以外のものである場合は、
その財産の相続税評価額から負担額を控除した価額となります。

 なお、負担付贈与があった場合においてその負担額が第三者の利益に帰すときは、
三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したことになります。

 負担付贈与の具体的計算

  又、国税庁ホームページの引用です。


「例」

No.4426 負担付贈与に対する課税Q&A
 負担付贈与の具体的計算
Q

 父から時価1,500万円の土地の贈与を受ける代わりに父の銀行借入金1,000万円を
負担することとした場合の贈与税の課税は具体的にはどうなりますか。

A

課税時期(贈与を受けたとき)における通常の取引価額(1,500万円)から
負担額(1,000万円)を控除した価額(500万円)が贈与税の課税対象となります。


(相基通21の2-4、平元直評5外)

(令和2年4月1日現在の法令等によっています。)

上記の例を計算すると、次のようになります。

  贈与財産  債務の額 基礎控除   課税価格
 15,000,000-10,000,000-1,100,000=3,900,000

 課税価格  税率      贈与税
 3,900,000× 20% - 250,000= 530,000円


 さて、上記の例で、父がこの土地を15年前に500万円で購入したとしたら、
500万円の土地を1000万円で譲渡したことになり、譲渡所得税
住民税が課税されます。



 収入金額  取得費    課税譲渡所得
 10,000,000円ー5,000,000円=5,000,000円

 課税譲渡所得   税率     税額
 5,000,000円 × 20.315%=1,015,700円

 

 

 

私の好きな曲、ショパン ノクターン1番9-1

 

  硬い文章で疲れた後は優しい音楽で癒されてみてはいかがでしょうか?

 下のYOUTUBEは、どこのお嬢さんの演奏か知りませんが、偶然に見つけた

 もので、アシュケナージ中村紘子よりも私の感性にぴったり来る演奏

 でした。

www.youtube.com