無道路地から囲繞地を通行して公道に至るまでの権利を
「囲繞地通行権」といいます。
これは前回説明しました。
さて、ここで2つ問題があります。
①、、通行の場所及び方法は、必要で、かつ、他の土地の
損害が最も少ないものを選ぶこと、
②、 通行権を有する者は、その通行する土地の損害に
対して償金を支払うこと、
以上、2つの問題が民法で定められています。
①はさておき、②の支払う償金の額です。
民法では、いくら支払いなさいとは規定がありません。
色々、調べると、次のような方法があることが分ります。
1,近隣の相場を参考にする、
近隣に囲繞地があって、通行料が分っていれば参考に
なります。
しかし、実際には近隣に探すのは中々、難しいでしょう。
2,土地家屋調査士や不動産鑑定士に鑑定を依頼して、通行料
を決める、
この方法は高額な鑑定料を支払う必要があるという難点
があります。
3,近隣の駐車場の駐車料を参考にする、
建築基準法で定められた接道義務は幅2メートルです。
駐車場の幅は2.3m、奥行5.5mが大体標準の大きさ
ですから、これを基準に償金の額を決めていきます。
囲繞地通行権は、契約がなくても民法で定められた権利
ですが、
出来れば、賃貸借契約などの形式で、無道路地所有者と
囲繞地所有者が通路の幅や位置などの条件で合意する方が
問題が起こりにくいと思われます。
この場合は「通行地役権」となり、税法の扱いが違ってきます。