税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

付属設備の相続税評価!

付属設備の評価

 A,まず、建物、建物付属設備、構築物の3つの違い

明確にする必要があります。

1、建物とは
  
 土地の上に建てられた工作物のことを言い、

 ①、建物
 ②、屋根
 ③、壁
 ④、柱

などです。

2、建物附属設備とは

 建物に付属している工作物を言います。

 ①、電気、給排水、ガス設備
 ②、通信設備
 ③、冷暖房設備
 ④、エレベーター
 ⑤、消火設備
 6、建物と一体となっている看板、

などです。

3、構築物とは、

 土地の上に建てられている、建物以外の工作物

 ①、塀
 ②、鉄塔
 ③、アンテナ
 ④、舗装道路
 ⑤、駐車場の舗装路面
 ⑥、庭園
 ⑦、建物に付属していない看板

などが挙げられます。


B, さて、ここで問題なのは、確定申告でアパートの
建物を減価償却資産に計上する時、建物と附属設備を
区分して計上していました。


 理由は、耐用年数の違いです。

 鉄筋コンクリート  47年
 電気設備等     15年

 分けたほうが多く経費になるからです。

 但し、相続税評価は固定資産税評価証明書の金額を基準
とします。

 固定資産税評価証明書の金額の中には、附属設備も
含まれています。


 財産評価基本通達も、電気設備、給排水設備のように家屋

と一体になっているものは、家屋の価額に含めて評価すると

しています。


 ですから、相続税の財産明細に計上するのは、
 給排水設備等が壊れて、新しく買い替えて、減価償却明細に
新たに計上された部分のみ相続財産とすれば良いことになります。

例、

建物    平成15年取得 40,000,000円
電気設備等 平成15年取得 5,000,000円
給排水設備 平成25年取得 1,000,000円

上のような場合、新築の時の建物と電気設備等は固定資産税評価証明書の
金額に含まれていますので、電気設備は計上する必要がなく、

 新たに取得して、固定資産税評価証明書の金額に含まれて
いない、平成25年の給排水設備のみが相続財産に
計上すべき金額となります。

C,その時の相続税評価額はいくらになりますか?

 算式は次の通りです。

付属設備の評価の算式

 (再建築価額ー定率法による償却費の額)×0.7

 ポイントは、

 ①、償却方法は定率法

 ②、未償却残高に0.7を乗じる

 再建築価額といっても分かりませんから、私は確定申告上
の未償却残高に0.7を乗じて計算しています


 

 

 但し、平成28年4月以降取得の建物付属設備及び構築物

定額法が強制になります

 

 財産評価基本通達92 においては、償却方法を定率法と

しているので、何か矛盾を感じますが、その内、通達の

改正があるのでしょうか。

 

参照

財産評価基本基本通達92

(附属設備等の評価)

92 附属設備等の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。 (平16課評2-7外・平20課評2-5外・令2課評2-21外改正)

(1) 家屋と構造上一体となっている設備
家屋の所有者が有する電気設備(ネオンサイン、投光器、スポットライト、電話機、電話交換機およびタイムレコーダー等を除く。)、ガス設備、衛生設備、給排水設備、温湿度調整設備、消火設備、避雷針設備、昇降設備、じんかい処理設備等で、その家屋に取り付けられ、その家屋と構造上一体となっているものについては、その家屋の価額に含めて評価する。

(2) 門、塀等の設備
門、塀、外井戸、屋外じんかい処理設備等の附属設備の価額は、その附属設備の再建築価額から、建築の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。)の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価する。この場合における償却方法は、定率法(所得税法施行令第120条の2第1項第1号イ(2)又は法人税法施行令第48条の2第1項第1号イ(2)に規定する定率法をいう。以下同じ。)によるものとし、その耐用年数減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)に規定する耐用年数による。

(3) 庭園設備
庭園設備(庭木、庭石、あずまや、庭池等をいう。)の価額は、その庭園設備の調達価額(課税時期においてその財産をその財産の現況により取得する場合の価額をいう。以下同じ。)の100分の70に相当する価額によって評価する。