税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

建物・リフォーム代の相続税評価

平成25年11月1日に、リフォーム代金の相続税評価
に対する「質疑応答事例集」が国税庁から出され、

リフォーム代金は相続財産に計上する旨をはっきり
明言しました。

相続税評価基準においては。

家屋の評価は、その家屋の固定資産税評価額に一定の
倍率を乗じた金額で評価し、

その倍率は、

自用家屋   1.0

貸家     0.7

でした。

又、電気・ガス・水道等の附属設備は家屋に含めて
評価する、

という規定になっています。


質疑応答事例集の回答は、

増改築部分の価額を加算して、家屋の評価とすると
書いてあります。

増改築部分の評価額の計算は、

(再建築価額ー償却費相当額)×0.7=加算額

再建築価額×0.9×経過年数/耐用年数=償却費相当額


要するに、減価償却後の残額の70%で計上しなさい
ということです。


例えば、

固定資産税評価額   4000万円

の家屋に、次のようなリフォーム


耐震工事     1000万円

システムキッチン 1000万円

を行ったとします。


従来は、

固定資産税評価額に増加がなければ、相続税の評価額は
自宅であれば、4000万円だけということでした。

銀行と建築会社がタイアップして、

リフォームすれば、上の例で言うと、

現金が2000万円減少し、相続税評価額はアップ
しないので節税になりますよ、とすすめていました。

これからはその節税策は使えないことになります。


今回の改正は、通達と言うことであれば、今年の改正
等で一般に公開される筈ですが、

質疑応答事例集での回答という形をとっている為、余り
知られておらず、要注意ですね。

相続税の税務調査の現場で問題になると思われます。



参考


増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価

【照会要旨】

 所有する家屋について増改築を行いましたが、家屋の固定資産税評価額が改訂されていないため、
その固定資産税評価額が増改築に係る家屋の状況を反映していません。このような家屋は、
どのように評価するのでしょうか。

【回答要旨】

 増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合の家屋の価額は、
増改築等に係る部分以外の部分に対応する固定資産税評価額に、当該増改築等に係る部分の価額として
、当該増改築等に係る家屋と状況の類似した付近の家屋の固定資産税評価額を基として、
その付近の家屋との構造、経過年数、用途等の差を考慮して評定した価額
(ただし、状況の類似した付近の家屋がない場合には、その増改築等に係る部分の再建築価額から
課税時期までの間における償却費相当額を控除した価額の100分の70に相当する金額)を加算した価額

(課税時期から申告期限までの間に、その家屋の課税時期の状況に応じた固定資産税評価額が付された場合には、
その固定資産税評価額)に基づき財産評価基本通達89(家屋の評価)又は93(貸家の評価)の定めにより評価します。
 なお、償却費相当額は、 財産評価基本通達89-2(文化財建造物である家屋の評価)
の(2)に定める評価方法に準じて、再建築価額から当該価額に0.1を乗じて計算した金額を控除した価額に、
その家屋の耐用年数(減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定する耐用年数)のうちに占める経過年数
(増改築等の時から課税時期までの期間に相当する年数
(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は、1年とします。))の割合を乗じて計算します。

【関係法令通達】

 財産評価基本通達 5、89、89-2(2)、93
 減価償却資産の耐用年数等に関する省令

注記
 平成26年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも
事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に
適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。