税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

法人編!個人が土地を法人に貸す場合の課税関係!


今まで、使用貸借について説明してきましたが、
使用貸借の取扱いは相手が法人の場合は
適用がありません。

例えば、次のような場合はどうなるでしょうか?

山本一郎個人所有の土地の上に、山本一郎が代表者を
している法人、(株)味よし食堂が建物を建てて食堂
を経営した場合、課税関係はどうなるでしょうか?---

よくあるケースです。

個人が一般法人に貸した場合の取引はお互いに利害を
一致させているから問題ありまあせんが、

問題があるのは上記の例のような同族会社に貸した場合です。

大きく3つのケースが考えられます。

1、通常の権利金を支払う、

2、相当の地代を支払う、

3、無償で借りる、

法人税法所得税法では税に対する
考え方が基本的に異なっています。

法人税法は無償取引は課税対象と
なります。

無償の場合は完全に法人に対して
借地権の認定課税の問題が起こります。


   借地権/受贈益

として、多額の法人税が課されます。

相当の地代とは、自用地としての相続税価額の過去
3年間の平均額の6%相当額です。

この地代も細かく言えば、相当の地代に満たない場合
はどうするか、とか、色々、問題があります。

個人が無償で建てても、法人が無償で建てても同族会社
ですから同じようなものです。

そして、この場合の救済措置として、

法人税基本通達13-1-7

というものが作られました。

「土地の無償返還に関する届出」です。

その借地権の設定に係る契約書において、次のような
取り決めをします。

①、将来、借地人等がその土地を無償で返還する
 ことを定めており、

②、その旨を借地人等との連名で記載して、

遅滞なく、この届出書を所轄税務署長に提出すれば、
借地権の認定課税は見合わせる、というものです。

但し、次回の個人の項で説明しますが、

相続の際、貸宅地として80%評価になる場合は、下げた
評価の20%が同族会社の株式評価で借地権として
純資産価額の計算に算入されます。


参照

(権利金の認定見合せ)

13-1-7 法人が借地権の設定等により他人に土地を使用させた場合(権利金を収受した場合又は特別の経済的な利益を受けた場合を除く。)において、これにより収受する地代の額が13-1-2に定める相当の地代の額に満たないとき(13-1-5の取扱いの適用があるときを除く。)であっても、その借地権の設定等に係る契約書において将来借地人等がその土地を無償で返還することが定められており、かつ、その旨を借地人等との連名の書面により遅滞なく当該法人の納税地の所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長。以下13-1-14までにおいて同じ。)に届け出たときは、13-1-3にかかわらず、当該借地権の設定等をした日の属する事業年度以後の各事業年度において、13-1-2に準じて計算した相当の地代の額から実際に収受している地代の額を控除した金額に相当する金額を借地人等に対して贈与したものとして取り扱うものとする。
 使用貸借契約により他人に土地を使用させた場合(13-1-5の取扱いの適用がある場合を除く。)についても、同様とする。(昭55年直法2-15「三十一」により追加、平15年課法2-7「四十八」により改正)