税務会計三直線

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被相続人が老人ホーム入居中に亡くなった場合、その1、原則


この問題については以前、平成25年の改正で、
平成26年1月1日以後の相続等に付き、

1、被相続人に対する介護が必要なため、老人ホームに入所していた、

2、老人ホーム入居後に、貸付け等の用に供していない事、

 以上の2点の要件を満たす場合に特例の適用を認めることになった、
とお知らせしました。

今回は更に詳しく、一つ一つを細かく説明していきます。

Ⅰ、まず、原則の3点を挙げてみます。

 1、被相続人が亡くなる直前において要介護認定を受けていたこと、

 2、被相続人が「老人福祉等に規定する老人ホーム」に入居していたこと、

 3、被相続人が住んでいた建物を「貸付け等の用」に供していないこと、
   
 老人ホーム入居中に亡くなった場合で「小規模宅地等の特例」を受けられる
ための要件は以上の3点の原則をまず、満たすことです。

 1、被相続人が亡くなる直前において要介護認定を受けていたこと、

 この場合、要介護認定がされていたかどうかは老人ホーム入居時点ではなく
亡くなった時点で判定します。
 従って、入居の時、要介護でなくても、亡くなる直前で要介護認定で
あればよいとされています。
 
 又、要介護申請中に亡くなっても、亡くなった時点で要介護認定が
されていたとみなして特例の適用が可能となります。

 2、被相続人が「老人福祉等に規定する老人ホーム」に入居していたこと、

 老人福祉法等に規定する老人ホームに該当しないと特例の適用が受けられません。
老人ホーム等を運営するに当たっては、都道府県知事に一定の事項を
届出る必要があり、ほとんどの事業者は届出ているということですが、
もし、該当しないと適用がありませんので確認の必要がありそうです。

3、被相続人が住んでいた建物を「貸付け等の用」に供していない事、

 被相続人が老人ホームに入居後、その建物を賃貸したり、生計別親族が
住居として利用していた場合は特例が受けられません。

Ⅱ、提出すべき書類

 上記の適用を受けるためには、次に掲げる書類の提出が必要です。

 1、相続開始の日の以後に作成された被相続人の戸籍の附表の写し、

 2、介護保険の被保険者証の写し、

 3、老人ホームの内容を示す書類、施設への入所時における契約書の写し等、







租税特別措置法施行規則第23条の2


三 特定居住用宅地等である小規模宅地等(施行令第四十条の二第二項各号に掲げる事由により
相続の開始の直前において当該相続に係る被相続人の居住の用に供されていなかつた場合に
おける当該事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用に供されていた宅地等
(土地又は土地の上に存する権利をいう。)に限る。)について法第六十九条の四第一項の規定の適用を
受けようとする場合 次に掲げる書類

イ 前号イからニまでに掲げる書類(当該被相続人の配偶者が法第六十九条の四第一項の規定の適用を
受けようとするときは前号イに掲げる書類とし、同条第三項第二号イ又はハに掲げる要件を満たす親族
が同条第一項の規定の適用を受けようとするときは前号イ及びロに掲げる書類とし、
同条第三項第二号ロに掲げる要件を満たす親族が同条第一項の規定の適用を受けようとするときは
前号イ、ハ及びニに掲げる書類とする。)

ロ 当該相続の開始の日以後に作成された当該被相続人の戸籍の附票の写し


ハ 介護保険の被保険者証の写し又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための
法律第二十二条第八項に規定する障害福祉サービス受給者証の写しその他の書類で、
当該被相続人が当該相続の開始の直前において介護保険
(平成九年法律第百二十三号)第十九条第一項に規定する要介護認定若しくは
同条第二項に規定する要支援認定を受けていたこと若しくは
介護保険法施行規則第百四十条の六十二の四第二号に該当していたこと
又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十一条第一項に
規定する障害支援区分の認定を受けていたことを明らかにするもの

ニ 当該被相続人が当該相続の開始の直前において入居又は入所していた
施行令第四十条の二第二項第一号イからハまでに掲げる住居若しくは
施設又は同項第二号の施設若しくは住居の名称及び所在地並びにこれらの住居又は
施設がこれらの規定のいずれの住居又は施設に該当するかを明らかにする書類