税務会計三直線

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遺留分侵害額請求、旧法と新法の違い!

遺留分侵害額請求、旧法と新法の違い!

令和1年(2019年)7月1日民法改正によって、遺留分請求
が若干変更になりました。

 変わった項目を列挙してみます。

1,名称が変わりました。

 旧法 遺留分減殺(げんさい)請求

 新法 遺留分侵害額請求

2,請求の方法が変わりました。

 旧法 財産の内,何分の1請求する、としました。
 
 新法 遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求する
    ことに変わりました。

    旧法では、不動産が共有になったりして争いが
   絶えない等の理由で、これを解消するために金銭で
   決済することになりました。

    遺留分対象資産が事業用資産である場合などには、
   小規模事業等の事業承継に支障を生じる問題も指摘
   されました。

3,特別受益に期限が設けられました

 旧法 旧法は遺留分計算の基礎となる財産の加算が相続人
   の特別受益に期限がありませんでした。

 新法 10年以内に贈与されたものに限る、ことになりました

遺留分侵害額への配慮を欠いた残念な遺言書の結末!

遺留分侵害額への配慮を欠いた残念な遺言書の結末!

 最近、遺言書の作成依頼が増えています。
 やはり高齢化が進んでいるからでしょうか。

 依頼を受けて一番困るのは、この子には財産をあげたくない、
といった遺留分を侵害する遺言書の作成依頼です。


 メンデルの3対1の法則ではないですが、3,4人子供が
いれば出来の悪い子が1人はいるものです。

 しかし、出来不出来に関係なく、法律は厳格に施行されます。

 過去に、父親が全財産を長男に相続させるという遺言書を
残して亡くなったことがありました。
 子供は長男以外に女子が6人、計7人いました。
 父親の考えは他の子には家を贈与したりしてそれなりの事を
してあげたし、代々続く家柄を長男に継いでもらいたいという
思いがあった事と思います。
 当然、遺留分を巡って裁判となり決着つくまで5年もかかり
ました。
 長い時間を要した原因は、2019年7月1日改正以前の

事案で、特別受益に期限がなかったためであると推測しています

 遺言書を作成する前に相談があったらここまで揉めることは
なかったのにと残念でなりません。

分譲マンション評価方法改正、評価の具体例!

分譲マンション評価方法改正、評価の具体例

具体例

 1,種類 居宅
 2,築年数 10年3カ月ーー11年
 3,総階数 11階
 4,専有部分の面積 60㎡
 5,敷地面積  3000㎡
 6,敷地権の割合 1150000分の6000
 7,敷地利用権の面積 
   3000㎡×6000/1150000=15.66㎡
 8,従来の計算による区分所有権の価額  5、000千円
 9,従来の計算による敷地利用権の価額 16,000千円

計算結果

1 区分所有補正率の計算

 (1)評価乖離率=A+B+G+D+3.220
 
   Aの計算
    A=11年×ー0.033=ー0.363

   Bの計算
   総階数=11階÷33=0.333
    B=0.333×0.239=0.079

   Cの計算
    C=3階×0.018=0.054

   Dの計算
    敷地持分狭小度=15.66÷60=0.261
    D=0.261×ー1.195=ー0.312

     A+B+C+D+3.220=2.678

      評価乖離率=2.678

  (2)評価水準

      評価水準=1÷2.678=0.3734129947

  (3)区分所有補正率

      評価水準(0.3734129947)<0.6 の場合に該当するので
     

      区分所有補正率は、評価乖離率×0.6、となります。

      評価乖離率     区分所有補正率
      2.678×0.6=1.6068

      区分所有補正率は、1.6068、でした。

Ⅱ 区分所有マンションの価額の計算

  (1)区分所有権(建物)の価額

           区分所有補正率 区分所有権の価額
    5,000,000円 × 1.6068 = 8,034,000円

  (2)敷地利用権の価額

           区分所有補正率 敷地利用権の価額
    16,000,000円 × 1.6068 = 25,708,800円

分譲マンションの相続税評価改正、令和6年1月1日以後

 

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区分所有マンションの評価方法が変わりました。
 
 

令和6年1月1日以後の相続、遺贈、贈与により取得した
区分所有マンションの価額は新たに定められた個別通達により
評価します。

改正の理由
 通常の土地家屋の相続税評価額は、時価の0.6程度ですが、
分譲マンションの評価は実勢価格の3割程度となり、乖離が
大きいので、その差を是正しようというのが改正の理由です。

 計算式は、従来通りの計算方法による価額に
 新たに「区分所有補正率」を乗じて価格の是正を計ろうと
するものです。

対象となる区分所有マンションは、

1,3階以上
2,区分登記されている分譲マンション


です。従って、以下のようなマンションは適用がありません。

1,区分建物の登記がされていないもの(一棟所有の賃貸マンションなど)
2,地階を除く総階数が2以下のもの
3,その全てを区分所有者又はその親族の居住の用に
  供するもの(いわゆる二世帯住宅など)


 計算式はかなり複雑です。

算式(自用の場合)

(1)従来の方法による評価額を計算します。

建物(区分所有権の価額)

   家屋の固定資産税評価額×1.0

土地(敷地利用権の価額)

   路線価×各種補正率×区分所有権/マンション全体の敷地面積

(2) 上記の計算による評価額に、区分所有補正率を乗じます。

 ① 従来の区分所有権の価額 × 区分所有補正率
  
 ② 敷地利用権の価額

  従来の敷地利用権の価額 × 区分所有補正率


(3)「区分所有補正率」の計算方法

算式

1,評価乖離率

 評価乖離率=A+B+C+D+3.220

 A 築年数×-0.033(1年未満の端数は1年)

 B 総階数×0.239(小数点以下第4位切捨て)

 C 所在階×0.018

 D 一室の区分所有権等に係る敷地持分狭小度×ー1.195
   (小数点以下第4位切り上げ)

  *
敷地持分狭小度=敷地利用権の面積÷専有部分の面積(床面積)

 (注)評価乖離率が零又は負数の場合は区分所有権及び
   敷地利用権の価額は評価しない(評価額を零とする)

2,評価水準

 評価水準=1÷評価乖離率

3,区分所有補正率

  区分          区分所有補正率

 評価水準<0.6 の場合  評価乖離率×0.6

 0.6<評価水準< の場合 補正なし(従来の評価額で評価)
    =    =

 1<評価水準    の場合 評価乖離率 

 

 国税庁のホームページに「区分所有補正率の計算明細書」が

掲載されていて、計算式は複雑ですが、その計算書を使用すると

意外と簡単に計算できますので、

 

 次回に、例題をその計算書に記入してみます。

「空き家特例」令和5年度の改正内容!

「空き家特例」令和5年度の改正

つぎの4項目について改正がありました。

1,適用期限が4年間延長されました

 改正前 令和5年12月31日まで、

 改正後 令和9年12月31日まで、

2,耐震リフォーム要件(敷地、家屋の譲渡)

 改正前 譲渡日までにその家屋が耐震基準に適合

 改正後 譲渡日までに又は譲渡日~譲渡年の翌年2月15日までに
    その家屋が耐震基準に適合

3,除却要件(敷地等のみ譲渡)

 改正前 譲渡日までに家屋を除却

 改正後 譲渡日までに又は譲渡日~譲渡年の翌年
    2月15日までに家屋を除却、

4,特別控除額

 改正前 相続人が複数いる場合でも、それぞれ3000万円控除

 改正後 相続人が3人以上いる場合、1人当たり2000万円控除


1の「適用期限」は単なる延長ですから問題はないでしょう。

2の「耐震リフォーム要件」(敷地、家屋の譲渡)

 新耐震基準は昭和56年6月1日から施行されました。

 2011年の東日本大震災の時、私は、物置として借りたビルの6階で
事務を執っていました。
 この時、物凄いゆれの地震が起こり、ビルが倒れるかと思いましたが、
ゆれの中で、このビルの建築された日が昭和60年だと思い出して、
建築基準法改正後の建物だから倒壊の心配はないなと、
揺れの中で考えていました。

 政府は空き家で旧耐震基準の建物を無くしていきたい方針でしょう。

 しかし、この特例の適用要件はかなり厳しく思うように進みません、

 適用要件の次の2つがかなりネックとなっていました。

① 売主は耐震リフォームを実施した後に家屋及び
 その敷地を売却すること、


② 売主が空き家を取壊して更地にした後に土地を売却すること、

 相続人である売主は売却前にそれらの工事を実施する資金が
ない場合が多々、あると思います。

 そこで今回の改正で、売買契約等の基づき、

 買主が、

 耐震リフォーム


 取壊して除却

した場合も適用要件となりました。

 改正前は、譲渡日までにその家屋が耐震基準に適合していないと
3000万円控除を受けられません。

 又、譲渡した後、買入業者が耐震リフォームを行った場合もNGでした。

 改正後は、令和6年1月1日以後の譲渡から、売買契約等に基づき、
買主が譲渡の日の属する翌年2月15日までに耐震リフォームを
行った場合も適用対象となりました。


3の「除却要件」(敷地のみの譲渡)

 譲渡日までに家屋を除却していないと適用がありませんでしたが、
令和6年1月1日以後の譲渡から、上記と同じく、買主が譲渡の日の
属する年の翌年2月15日までに家屋を除却すれば
適用対象となりました。


4の「特別控除額」

 改正前 相続人が複数名いる場合、それぞれ3000万円控除がありましたが、

 改正後は相続人が3人以上いる場合は一人当たり2000万円に制限されました

 

譲渡所得 「空き家特例」の3000万円控除!


 近年、相続後の空き家が周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得り、

且つ、空き家の大半が耐震性のない建築物であると推計されています。

 そこで平成28年度税制改正により、相続等により取得した空き家を

譲渡した場合の
3000万円特別控除、いわゆる、「空き家特例」が創設されました。



内容は次の通りです。かなり複雑です。

1,概要

 相続又は遺贈により取得した被相続人の居住用家屋又は居住用家屋の敷地等を
平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売却し、

 一定の要件に該当する時は、

 譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除する

2,適用要件

 ①、被相続人が一人で住んでいた家屋であること、


 ②、昭和56年5月31日以前に建築された建物であること、


 ③、相続から譲渡まで引き続き空き家であること、


 ④、譲渡対価が1億円を超えないこと、


 ⑤、相続の時から相続開始日以後3年を経過する日の属する

       12月31日までの譲渡であること、


 ⑥、耐震基準を満たしているか又は更地であること、


 ⑦、特別な関係(親子や夫婦等)の売却ではないこと、


 ⑧、区分所有建物登記がなされている建物でないこと、

 

 平成31年4月1日以後の譲渡から老人ホーム等への入居者も

       適用対象となりました、


3,提出書類

A,家屋、敷地等を売却した場合


イ、譲渡所得の内訳書


ロ、売った資産の「登記事項証明書等」で次の事項を明らかにするもの、
 (イ)売った人が被相続人家屋敷地を相続又は遺贈により取得したこと、
 (ロ)被相続人居住用家屋が昭和56年5月31日以後に建築されたこと、


ハ、売った資産の所在地を管轄する市町村長から交付を受けた

 被相続人居住用家屋等確認書」


二、耐震基準適合証明書又は建築住宅性能証明書の写し


ホ、売買契約書の写し

B、家屋の全部を取り壊して敷地等を売った場合


イ、上記Aのイ、ロ及びホに掲げる書類


ロ、「被相続人居住用家屋等確認書」

 令和5年度税制改正により、令和6年1月1日以後、

特例の対象となる譲渡の範囲が拡大されました。


令和5年度改正については、次回に説明いたします。

代償分割!


代償分割ーーー遺産の分割に当たって、土地が一つで相続人が3人。

どうする? 
 

 現金預金も有価証券も何もない時、遺産分割する方法が
3つあります。

1、換価分割

  これはその土地を売って現金にして3人で分ける方法。

2、共有分割

  各相続人の持分を決めて、その土地を共有名義にする方法。

3、代償分割

  一人の相続人が1つしかない土地を相続して、他の二人に
  相続分に応じて金銭を支払う方法。


 1と2は簡単です。
 


 3の、代償分割は少々面倒です。

 3人の相続人A、B、Cがいたとして、Aが土地を全部相続し、
AがB、Cに対し、相続分に応じて、例えば、2千万円ずつを金銭で
支払ったとします。

 この時、2つの問題が生じます。

 第1は遺産分割協議書の記載方法です。

  1、相続人Aは次の不動産を相続する。

     所在
     地番
     地目  宅地
     地籍  400平方メートル

  2、Aは上記遺産を取得する代償として、B及びCに対して、それぞれ
    2000万円を支払う。


 遺産分割協議書はこうあらねばならないという特別な様式がある
わけではないので、内容がよくわかる文面なら良いと思います。

 但し、2の文言がないと代償金が贈与とみなされるので、必ず、
遺産分割協議書にこの文言を記載します。



 第2は、相続税の申告の方法です。

 (1)Aの課税価格
   
      120,0001千円ー20,000千円x2=80,000千円

 (2)Bの課税価格

       20,000千円

 (3)Cの課税価格

       20,000千円

 のように、Aの課税価格はB及びCに支払った40,000千円を
差し引いて計算します。