税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

税法

「遺留分侵害額請求」の方法!その1

「遺留分侵害額請求」について、要点を箇条書きにまとめてみました。 1、「遺留分侵害額請求」とは、 令和7年に民法、相続法が改正され「遺留分減殺請求」から 「遺留分侵害額請求」へと名称が変更されました。 2 名称だけでなく、内容も少し変わりました…

相続税の3年加算が7年加算に改正、贈与の金額も変えるべきか?

昨日のブログで書き足りなかった部分がありました。 それは、贈与する年代によって贈与する金額を 変えるべき、という提案です。 理由は、今までは法定相続人への贈与が 相続開始の時、3年分だけ加算されましたが、 改正により、7年間の贈与が加算される …

毎年110万円ずつ子供に贈与したい!は危険か?

定期贈与の危険 将来の相続税を少しでも減らしたいという考えで、毎年、一定金額の贈与を続けたいという申し入れがよくあります。 贈与税の基礎控除は110万円ですから、110万円ずつ贈与を長年繰り返せば無税で多額の相続財産減額が可能と考えます。 し…

「空き家特例」の3000万円控除!

空き家特例の3000万円控除 相続又は遺贈により取得した被相続人の居住用家屋又はその敷地を、令和9年12月31日までに売って一定の要件に当てはまるときは譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除することができます。 令和6年1月1日以後に行…

地積規模の大きな宅地の評価!

地積規模の大きな宅地の評価 <地積規模の大きな宅地>とは、以前は<広大地評価>と称していましたが、改正により、平成30年1月1日以降から<地積規模の大きな宅地の評価>と名称が変わり、内容もがらりと変わりました。 以前の<広大地評価>は非常に…

不整形地の奥行きは想定整形地の奥行きを限度とする、場合!

間違えやすい相続財産評価第17弾 前回は面積を間口で除して奥行きを計算するケースを 紹介しました。 今回は想定整形地の奥行を限度とするケースを紹介いたします。 例 次のような不整形な宅地を評価してみます。 間口20メートル 高さ25メートル 面積 …

不整形地の奥行きは面積を間口で除して計算、の場合!

不整形地の奥行きは面積を間口で除して計算、の場合! 2025-07-06 12:00:37NEW ! テーマ:├不整形地の評価 間違えやすい相続財産評価特集第16弾 どなたでも知っていることだと思いますが、今更ながら、確認のため、 間違えやすい相続財産評価特集として書…

特定居住用宅地等の特例 同居親族の要件!

2025-06-26 10:19:56NEW ! テーマ:■相続税申告書の作成方 間違えやすい相続財産評価特集14弾!] 特定居住用宅地等の特例、80%減額を適用される相続人は、 1, 配偶者 2, 生計一同居親族 3, 家なき子 このうち、2についての問題は、 親族の範囲 …

「特定路線価」申請の注意点!

前回は「特定路線価」を申請して、一度設定されたならば、 自分で評価し直すことはできない旨を書きました。 ただし、路線価のない道路ならば全て申請できる というわけでもありません。 いくつかの注意点を挙げてみます。 1, 対象地が路線価地域であるこ…

特定路線価の申請、間違え易い相続財産評価第12弾!

相続税または贈与税の申告のため、複雑すぎて手に負えない土地の評価を 税務署に評価をお願いする場合があります。 この場合、税務署が評価する路線価を「特定路線価」といいます。 一度申請して評価をいただいて、想定よりやや高めだなと思って 、無理にで…

親族間の売買で「みなし贈与」になる場合!

親族間の売買で「みなし贈与」になる場合! 土地や建物の不動産を他人に贈与したり、安く売ったりすることはまずないと思います。大抵、親族間で、例えば、祖父が孫に時価の3分の1の価額で売却したりするケースです。 この場合、「みなし贈与」という相続…

遺言書は絶対に必要です!

遺言書は絶対に必要です! 相続は遺言書がなければ90%以上の確率で揉めます。 遺言書があっても遺留分をめぐって紛争するくらいですから、遺言書がなければ大変なことになります。 長年、相続関係の仕事に携わっていますが、遺言書がなく遺産分割で紛争し…

103万円の壁ーーー178万円の壁!

103万円の壁ーーー178万円の壁! 103万円の壁、 130万円の壁 この2つの壁は会計事務所の現場では、絶対に忘れてはいけない壁です。アルバイトしている方なら誰でも知っています。1, 103万円の壁とは、 基礎控除 48万円 給与所得控除 55…

セットバックを必要とする「2項道路」とは何でしょうか?その1

セットバックを必要とする「2項道路」とは何でしょうか?その1 昔は、1間(1.8m)、2間(3.6m)といった基準で道路が作られました。 昭和25年11月に建築基準法が施行され、4m巾以上の道路に2m以上接していなければならない、という接道義務が定…

代襲相続人なる人、なれない人!

代襲相続人なる人、なれない人ポイント1,代襲相続人とは?2,被相続人の直系卑属(子、孫)は再代襲できる、3,被相続人の直系尊属は代襲権なし、4,被相続人の兄弟姉妹はその子(甥姪)まで、5,代襲相続人の相続分は本来の相続人の相続分を引き継ぐ…

未分割係争中の家賃収入の所得税の扱い

未分割係争中の家賃収入の所得税の扱い 遺言書がなく、分割協議が係争中のアパートの収益は誰に帰属するか? 結論からお話しすると、平成17年9月8日 最高裁の判例で結論が示されました。 相続開始の時に存在した財産は相続財産ですが、それ以後に発生す…

相続人の範囲と相続分

相続人の範囲と相続分 相続を考える時に、何回やっても戸惑うのが1,相続人は誰か2,相続分はどうなのか3,代襲相続人になる人、ならない人4,遺留分のある相続人は誰か この4つの区分です。頭の中がごちゃごちゃしてきます。間違えたら大変なことにな…

相続人への特別受益とは何でしょうか?

相続人への特別受益とは何でしょうか? 遺留分を算定するための生前贈与加算は3つあると前回説明しました。 この内、最も代表的な贈与は、相続人への特別受益に当たる生前贈与でしょう。 ポイントは、1,特別受益の内容2,10年以内の贈与に限定されたこ…

遺留分を算定するための財産の価額!

遺留分を算定するための財産の価額 民法第1043条によれば 遺留分を算定するための財産の価額= 相続開始時の財産の価額 +贈与した財産の価額 -債務の全額 と記述されています。 ここにおける贈与とは、 民法第1044条に記述されています。 以下の3点が…

遺留分侵害額請求、旧法と新法の違い!

遺留分侵害額請求、旧法と新法の違い!令和1年(2019年)7月1日民法改正によって、遺留分請求が若干変更になりました。 変わった項目を列挙してみます。1,名称が変わりました。 旧法 遺留分減殺(げんさい)請求 新法 遺留分侵害額請求2,請求の方…

遺留分侵害額への配慮を欠いた残念な遺言書の結末!

遺留分侵害額への配慮を欠いた残念な遺言書の結末! 最近、遺言書の作成依頼が増えています。 やはり高齢化が進んでいるからでしょうか。 依頼を受けて一番困るのは、この子には財産をあげたくない、といった遺留分を侵害する遺言書の作成依頼です。 メンデ…

分譲マンション評価方法改正、評価の具体例!

分譲マンション評価方法改正、評価の具体例具体例 1,種類 居宅 2,築年数 10年3カ月ーー11年 3,総階数 11階 4,専有部分の面積 60㎡ 5,敷地面積 3000㎡ 6,敷地権の割合 1150000分の6000 7,敷地利用権の面積 3000㎡×…

分譲マンションの相続税評価改正、令和6年1月1日以後

2024-04-01 18:16:22NEW ! テーマ 区分所有マンションの評価方法が変わりました。 令和6年1月1日以後の相続、遺贈、贈与により取得した区分所有マンションの価額は新たに定められた個別通達により評価します。改正の理由 通常の土地家屋の相続税評価額は…

「空き家特例」令和5年度の改正内容!

「空き家特例」令和5年度の改正つぎの4項目について改正がありました。1,適用期限が4年間延長されました。 改正前 令和5年12月31日まで、 改正後 令和9年12月31日まで、2,耐震リフォーム要件(敷地、家屋の譲渡) 改正前 譲渡日までにその…

譲渡所得 「空き家特例」の3000万円控除!

近年、相続後の空き家が周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得り、 且つ、空き家の大半が耐震性のない建築物であると推計されています。 そこで平成28年度税制改正により、相続等により取得した空き家を 譲渡した場合の3000万円特別控除、いわゆる、「空き…

代償分割!

代償分割ーーー遺産の分割に当たって、土地が一つで相続人が3人。 どうする? 現金預金も有価証券も何もない時、遺産分割する方法が3つあります。1、換価分割 これはその土地を売って現金にして3人で分ける方法。2、共有分割 各相続人の持分を決めて、…

建築中の家屋の評価!

①、 財産評価基本通達91には、次のように規定されています。 「課税時期において現に建築中の家屋の評価は、 その家屋の費用現価の100分の70に相当する金額によって評価する。」 具体的には、例えば、 請負金額が3000万円で工事の進捗度が30%…

倍率方式で、登記簿謄本の地目と現地が異なる場合!

1, 登記簿謄本の地目が現地と異なる場合 地方の別荘地を評価しようとする時、 現地は造成されていて建物が建っているにも拘わらず、 地目は「山林」になっている場合がよくあります。 この時の相続税評価額をどうするかが問題です。 まず、宅地とは何でし…

土地は権利関係別に評価します!

土地の上に存する権利には、 1, 地上権 2,区分地上権 3,永小作権 4、区分地上権に準ずる地役権 5,借地権 6,定期借地権等 7,耕作権 8,温泉券 9,賃借権 10,占有権 以上の10種類が挙げられます。 この内、頻度の高いのは、区分地上権、借…

土地は一画地を評価単位とします!

土地は一画地を評価単位とします。 一画地とは、どのような意味でしょうか。 国税庁のホームページでは、次のように説明 されています。 利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。 例えば、所有する宅地を自ら使用している場合には、 ① 、居住の用か…