税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

EU離脱!英国はどこへ行くのか?

 
1、英国の歴史
 
 まさかとは思ったが、英国がEU離脱を選びました。

 驚きました。

 英国も日本と同じ島国で、日本も北から南から色々な
民族が流れ込んできて現在の日本民族が形成されました。

 同じように、島国の英国の歴史を見ると、

 最初に、紀元前9世紀頃、ケルト民族が英国に住みついて、
紀元前55年、ローマが侵略し、紀元後400年頃まで
支配しました。

 ローマが衰退してローマ軍が撤退した後、ドイツから
アングロ・サクソン族が侵入して、各地で王国をたて、
争っていました。ようやく統一されかかった矢先、

 1066年、フランスから「ノルマンディ公ウイリアム1世」
が攻め込んでサクソン王国を打ち破り、イングランド
を平定しました。

 有名な「ノルマン・コンクエスト」です。

 それから1000年余、その王室が続いて現在のエリザベス女王
の時代になっています。

 フランスから攻め込んだから、フランス人かと思うでしょうが、
フランスのノルマンディ領はノルマン人のバイキングが
各地を荒らしまわって、フランスにも攻め込んで勝ち取った
領地ですから、

 ノルマンディ公ウイリアムス1世はフランス人ではなくてノルマン人
です。

 今の英王室はバイキングの末裔ということになります。

 現在の英国は正式国名を「グレート・ブリテン」と言って、
4つの国の連合体です。

 それまでしばしば争ってきたイングランドスコットランド
が、アン女王の治世の1707年にグレート・ブリテン王国
として一体化し、アイルランドウェールズも加わって、4つの
国からなる「グレート・ブリテン」王国が成立しました。

 ノルマン人はイングランドを征服しましたが、何故か、
スコットランドは統一されず、ケルト民族を中心として
大陸から色々な民族が渡来し、スコットランド独自の特徴
を形作っていきます。

 ウェールズアイルランドは全くケルト民族が残りました。


 このように歴史を眺めると、イングランドとその他の
3つの諸国は民族を異にしていて、いつ、分裂して4つの
国に分かれてもおかしくない状態です。


、何故、EU離脱の道を英国民は選んだのか?


 経済的に考えれば全くと言っていい程割の合わない事位、
英国民はよく分かっていた筈なのに、

 独立すれば、EU各国に輸出するにもすぐ関税がかかるし、

EUの窓口としての英国の役割は消失し、


 そうすれば、英国に進出している世界の企業も撤退するかも
知れないし、


 世界の金融の中心としての地位も危なくなるでしょう。

 現に、それらを見越してポンドは下落し始めています。

 この上、4つの国に分裂すれば、英国は向こう100年ゆっくり
衰退の道を歩むかも知れません。

 そもそも、EUが出来た一番大きな理由は「戦争のないヨーロッパ」
を作りたい、ということだったでしょうから、

 安全面でもかなりのデメリットがある筈です。


 それでも英国民はEU離脱の道を選びました。



 EU離脱の大きな原因は2つ、と私は考えます。


 1つは、大勢の移民と難民が福祉に手厚い英国に押し寄せて
本来、英国民が享受すべき恩恵を奪っていると感じていたこと、

 2つ目は、誇り高き英国人がEUの枠組みの中で色々、干渉
されるのを嫌ったこと、
 現に、英国はEUの中にありながら、ユーロに参加しないで
ポンドを維持しています。


3、日本への影響は?

 現在の日本経済は2つの大きなマイナス要因で押しつぶされそうな
状況と考えます。

 1つは、勿論、中国経済の底知れない減速です。

 中国経済の減速で、新興国やEU等が大きなマイナスの
影響を受けているし、日本にもその悪影響は及んでいます。


 2つ目は、今回の英国のEU離脱によって、円が急速に値上がりし、
その為、輸出企業の利益低下を懸念して株式が大幅に値下がり
している事です。

 まだ、予測の範囲ですが、これから英国の状況が明らかに
されていくに従い、円の上昇、株式の値下がりが広がる
可能性があります。

 世界中を見回しても良い事が余りなくて、何やら、不気味な
予兆を感じさせます。

 これは何か、世界的に大きな変動の幕開けかも知れません。

 しかし、マイナスに考えても何も良い事はありませんから、
心を引き締めて、無駄を省き、次々に押し寄せる難局を
乗り越えて行かねばならないですね。