税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

家賃収入計上時期の大いなる誤解!

 一般に知られている発生主義は1月分はお金が例え
3月に入金されても、1月に売上を計上すると考えます。、

 それは正しいことです。

 事業所得の発生主義は「引渡基準」により、その取引
慣習に応じて、検収基準であったり、出荷基準であったり
します。

 不動産所得も発生主義で収入計上することは同じですが、
取引慣習に応じた収入計上時期が若干、事業所得と異なります。

 所得税法基本通達36-5~7に、次のように書かれています。

 収入金額の計上時期

  1,契約、慣習により賃借料の支払日が定められている場合

     定められた支払日

  2,支払日が定められていない場合

     実際に支払いを受けた日

  3,請求があったときに支払うべきと定められているものは

     請求の日

     

  これはどういうことかと言うと、契約書で、

  <賃料は毎月末日までに、翌月分を支払うこと>

 としてある時、H21年12月30日に翌年1月分の家賃を
収入した場合はH21年12月の収入としなければならないという
意味です。


 翌年の家賃だからといって、

 現金   100,000  前受家賃   100,000

 と処理するのは間違いです。

 又、契約が上記のようになっているならば、例え12月に入金
がなくても、

 未収家賃  100,000 家賃収入   100,000

 として、H21年分の収入としなければなりません。

 会計上で言えば、1月分を12月末に受け取れば前受家賃として
収入に計上しなくてもいいわけですが、不動産所得は異なります。

 この点を大いに誤解している人が多数おられます。


 但し、特例があります。(昭48・11・6直所2-78)です。

 原則は契約上の支払日の属する年分ですが、それは会計の実情に
即したものとは言えないので、次のように取り扱うことも認められて
います。


 不動産の貸付が事業的規模で、且つ、次に掲げる条件の全てに該当
するときは、その年の貸付期間に対応するものを、その年分の総収入金額
に算入することが出来ます。

 1,帳簿書類を備えて継続的に記帳し、その記帳に基づいて不動産所得
   の金額を計算していること。

 2,帳簿上で前受収益及び未収収益の経理が行われていること。