税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

「配偶者居住権」、配偶者による使用及び収益、修繕等、費用の負担!



 「配偶者居住権」の創設の意義は、財務省の発表によれば、

 配偶者が居住建物の所有権を取得しようとすれば、遺産の構成によっては
金融資産などの確保が困難になり、老後の生活に苦慮することになる。

 居住と老後の生活の安定に資するため、配偶者の生存中は居住建物に
無償で居住できる権利を創設する。

 他の相続人が居住建物の所有権を取得し、配偶者が配偶者居住権を取得
することにより、配偶者の住居が確保され、他の金融資産も相続することが
出来るため、老後の生活を安定させることが可能になる。

 と記されており、

1、 当然、善良な管理者の注意をもって居住建物の使用及び収益が出来る
こととなります。

2、 配偶者居住権は譲渡することが出来ないとされます。

3、又、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の居住建物の改築若しくは増築をし、
又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。

4、配偶者が違反した場合において、居住建物の所有者が
相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、
居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を
消滅させることができる、とされています。

 

修繕については、配偶者は使用及び収益をしているわけですから、
必要な修繕をするのは当然であろうと考えます。

 所有者は住んでもいなければ、家賃も収益していないのに、修繕費
を負担させられてはたまりません。

 同様に、1034条の規定にある通常の費用の負担も、例えば、固定資産税
の負担のような費用も使用及び収益している配偶者が負担すべきでしょう。

 

 

第1032条(配偶者による使用及び収益)


 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、
居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、
従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
 配偶者居住権は、譲渡することができない。
 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、
又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。
 配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が
相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、
居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を
消滅させることができる。




第1033条(居住建物の修繕等)

 

 配偶者は、居住建物の使用及び収益に必要な修繕をすることができる。

居住建物の修繕が必要である場合において、配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、
居住建物の所有者は、その修繕をすることができる。

 居住建物が修繕を要するとき(第一項の規定により配偶者が自らその修繕をするときを除く。)、
又は居住建物について権利を主張する者があるときは、配偶者は、居住建物の所有者に対し、
遅滞なくその旨を通知しなければならない。ただし、居住建物の所有者が
既にこれを知っているときは、この限りでない。


第1034条(居住建物の費用の負担)

 

 配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。
第583条第2項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。