税務会計三直線

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<名義預金>は相続税の税務調査で一番問題になる!

相続税の申告をご依頼を頂いて相続人の方と
お会いし、最初に申し上げるのが名義預金です。
 
名義預金がありましたら、それも相続財産ですから
報告をお願いします」
 
名義預金って何ですか?」
 
被相続人の方がご家族の名義でしてある預金のことです」
 
「父が子供達の為に積んでいた預金のことですね」
 
「はい、そうです」
 
名義預金なんて専門用語を使われても分かりません」
 
「すみません」
 
「どうして妻や子供の名義になっているのに相続税
がかかるんですか?そんなもの出す必要がないでしょう」
 
皆さん、被相続人名義以外の預金を相続財産に含める
ことにとても抵抗されます。
 
 
しかし、相続税の税務調査で一番問題になるのは
名義預金なのです。
 

恐らく、修正させられる70%はこの名義預金
ではないかと考えます。
 

それほど名義預金は要注意なのです。
 
 

名義預金とは、
 

名義だけ変えていても実質は被相続人の財産であり、
相続財産とみなされるものです。
 
名義預金となるかどうかのチェック項目を掲げてみます。
 

1、現預金を贈与したが、受増者が知らない、---名義預金
 

2、贈与した預金の管理・運用を被相続人
  行っている、----------------名義預金
 

3、被相続人が子名義の預金口座を開設し、
  通帳や印鑑を被相続人が持っている、-----名義預金
 

4、贈与された子が転勤や結婚などでその
  銀行口座の届出地にいない、---------名義預金
 

5、結婚した娘の通帳が旧姓のまま、-------名義預金
 

6、贈与契約書が作成されている、-------贈与
 

7、贈与税の申告書を提出している、------贈与
 
 
6、と7、は一応、贈与の条件の一要素は満たしていますが、
 

例え、贈与契約書があっても、贈与税申告書の提出があっても、
上の1から5までのチェックにひっかかれば、贈与でなく
名義預金とみなされます。
 

贈与とは、民法549条に定められていて、双方受諾
により成立する契約です。
 

贈与者が「あげる」といい、受増者が「もらった」といい、
双方が合意して成り立つわけですから、
 

一方的な贈与は税務当局も贈与と認めず、名義預金となります。
 
贈与と認定されれば、7年という贈与税の時効の問題に
かかってきます。
 
つまり、贈与後、10年を経過していれば税務当局は
その預金に相続税を課税する事が出来ないわけです。
 
しかし、次回に説明しますが、名義預金が贈与と認定
されることは99%不可能なのです。