昨日のA青年の話の続きです。
何故、彼はスーパーマーケットを立ち上げて成功し、
第2店舗の出店で失敗したのでしょうか。
ここに大きな教訓があります。
彼は大手スーパーの店長を勤めていて、その店の主なスタッフを
引き抜き、スーパーを立ち上げたのでした。
肉、野菜、魚等のエキスパートの若者を10数人連れていきましいた。
カリスマ性のある気っぷのよい男でした。
若い人たちが朝から晩まで必死に働いたのと、スーパー経営に
熟知していたので繁盛店になったのでしょう。
第2店舗を出店するとき、時期尚早と私は反対したのですが、
功名にはやった彼は反対を押し切って出店を強行しました。
事業は<人、物、金>の3拍子が揃わないと中々成功が難しい
と思います。
売上が年25%以上上昇したら気をつけろ、と言われる程です。
余り早い成長は人も物も金も追いつかないで、お客さまの信用
を失う羽目になります。
彼は第1店舗の半分の社員を引き連れてきましたが、あとは
新規に採用した新人ばかりです。
社員の養成が間に合わなくて、店がうまく回りません。
まず、人の面で綻びが出ました。
ほとんど借入金とリースで賄っていましたから、売上が思わしく
ないと資金が詰まります。社長が資金繰りに飛び回るように
なりました。
あとは、倒産へまっしぐらです。
折角、成功した第1店舗まで失うことになりました。
税理士として駆け出しだった私には、この出来事は大きな
教訓となりました。