「空き家特例」令和5年度の改正
つぎの4項目について改正がありました。
1,適用期限が4年間延長されました。
改正前 令和5年12月31日まで、
改正後 令和9年12月31日まで、
2,耐震リフォーム要件(敷地、家屋の譲渡)
改正前 譲渡日までにその家屋が耐震基準に適合
改正後 譲渡日までに又は譲渡日~譲渡年の翌年2月15日までに
その家屋が耐震基準に適合
3,除却要件(敷地等のみ譲渡)
改正前 譲渡日までに家屋を除却
改正後 譲渡日までに又は譲渡日~譲渡年の翌年
2月15日までに家屋を除却、
4,特別控除額
改正前 相続人が複数いる場合でも、それぞれ3000万円控除
改正後 相続人が3人以上いる場合、1人当たり2000万円控除
1の「適用期限」は単なる延長ですから問題はないでしょう。
2の「耐震リフォーム要件」(敷地、家屋の譲渡)
新耐震基準は昭和56年6月1日から施行されました。
2011年の東日本大震災の時、私は、物置として借りたビルの6階で
事務を執っていました。
この時、物凄いゆれの地震が起こり、ビルが倒れるかと思いましたが、
ゆれの中で、このビルの建築された日が昭和60年だと思い出して、
建築基準法改正後の建物だから倒壊の心配はないなと、
揺れの中で考えていました。
政府は空き家で旧耐震基準の建物を無くしていきたい方針でしょう。
しかし、この特例の適用要件はかなり厳しく思うように進みません、
適用要件の次の2つがかなりネックとなっていました。
① 売主は耐震リフォームを実施した後に家屋及び
その敷地を売却すること、
② 売主が空き家を取壊して更地にした後に土地を売却すること、
相続人である売主は売却前にそれらの工事を実施する資金が
ない場合が多々、あると思います。
そこで今回の改正で、売買契約等の基づき、
買主が、
耐震リフォーム
取壊して除却
した場合も適用要件となりました。
改正前は、譲渡日までにその家屋が耐震基準に適合していないと
3000万円控除を受けられません。
、
又、譲渡した後、買入業者が耐震リフォームを行った場合もNGでした。
改正後は、令和6年1月1日以後の譲渡から、売買契約等に基づき、
買主が譲渡の日の属する翌年2月15日までに耐震リフォームを
行った場合も適用対象となりました。
3の「除却要件」(敷地のみの譲渡)
譲渡日までに家屋を除却していないと適用がありませんでしたが、
令和6年1月1日以後の譲渡から、上記と同じく、買主が譲渡の日の
属する年の翌年2月15日までに家屋を除却すれば
適用対象となりました。
4の「特別控除額」
改正前 相続人が複数名いる場合、それぞれ3000万円控除がありましたが、
改正後は相続人が3人以上いる場合は一人当たり2000万円に制限されました。
、