税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

日本の中流階級が消えた!

 昔、20歳頃のことです。知人の女性に
「上流階級の家庭を題材に小説を書こうと思う」
と言うと、
「どんな家庭なの?」
と聞くから

「上場会社の役員で財産があって、お手伝いさんがいて、
お嬢さんは高級車で女子大に通っている、そんな
家庭だけどーーーー」

「あのね、それは中流階級って言うのよ。上流階級
というのは、皇室関係者とか、爵位を持っている
華族の方々しか上流っては言わないのよ」
とたしなめられました。

「私たちでも上流とは言わないで、せいぜい中流階級
なのよ」

 彼女は東北での県下でも有数の資産家で、米蔵が20以上も
ある大地主の娘で、小学校時代から運転手付きの自家用車
で通学したという、桁外れのお金持ちです。

 それを聞いているので、日本人は総中流化した
なんて言われると、何か変な気分になったものでした。


 先日、顧問先の社長と話をした時、
「日本から中流がいなくなったね」と言われました。

 思わず、私は知人の女性の話を思い出しながら、

「ふんふん、それで社長の言う中流というのはどの
ような定義なの?」
「要するに、所得1千万円クラスの人達が皆、所得減
して下流になっちゃったってことだよ」

 社長が言いたいのは、自分達がターゲットにして
いる、いわゆる中流の人達がいなくなって、売上が急減
しているということです。

 今、私共のお客様でも、少し高級の料理店やブティック
などが非常に苦戦しています。

 ユニクロがデパート5社を上回る利益を上げているのも、
所謂、中流が減って、下流が増えたことで顧客数が増加した
ためということも原因としてあるでしょう。

 ブティックも高級料理店も戦略を練り直さないとジリ貧
になりそうです。