経営分析の本を開くと、最初に必ず出てくる代表的な指標に
総資本利益率があります。
経常利益/総資本=総資本利益率
要するに、投下した資本にいくらの利益が上がったかという
ことです。
投資用マンションを1億円で買ったけれど、この実質利益が
500万円あったとすれば、総資本利益率は5%です。
一般に、5%あれば優良企業と言われ、10%以上あれば
超優良企業と言われます。
普通は2%位でしょう。
中小企業にはこの比率が使えないところが多くあります。
何故、使えないかというと、役員報酬で経常利益が変わるから
です。そんなに規模の大きくない同族会社は普通、経常利益 0円
を目指します。
一定の規模に達した企業とか、共同で経営している企業など
ではこの指標が使えます。
総資本利益率は総資本回転率と売上高経常利益率とに分けられ
ます。
売上/総資本x経常利益/売上=総資本利益率
私は総資本回転率は1回転を基準にお客様の財務諸表をまず
見ます。
売上が1億円なら、総資産も1億円というバランスです。
しかし、これは業種によってばらつきがあります。
大企業を見ても、食品、繊維などの軽工業は1回転でも、
製造業は0.7回転、逆に、卸売業は2.5回転位あります。
09/03 の代表的な大企業の総資本回転率を見てみますと、
総資本 売上
1332 日本水産 385,462 505,250 1.31回転
5401 新日鉄 4,870,680 4,769,821 0.98
6113 アマダ 479,947 225,789 0.47
8001 伊藤忠 5,192,092 12,055,165 2.32
自己資本回転率は20回転を基準に見ますが、その理由は後日、書きます。