税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

会計

個人事業には「受取利息」という勘定科目はありません!

個人商店の話、いや、個人事業主の話です。 青色申告決算書には「受取利息」という項目はありませんし、個人事業の会計ソフトにも、試算表にもありません。 何故なら、個人事業主が毎月経理しているのは<事業所得>という所得の計算だからです。 所得税法は…

中小企業の経営分析、粗利益と会計組織!

過日、ある人から「経営が困難に陥っている会社があるけど、一寸、見て くれないか」 と言われて、B社を紹介されました。 機械部品を購入販売している会社です。 この会社は会計事務所担当者をスカウトして取締役に迎えていました。 早速、会計組織、財務諸…

中小企業の経営分析、粗利益!

荒利益の算式は 売上高ー売上原価=荒利益(売上総利益、粗利益) 荒利益は5つの利益の中で最も重要な利益です。 会社の儲けの中心ですから、常に注意して、利益が増えているか減っているか、利益率はどうかを見守っていなければなりません。 荒利益は2つ…

中小企業の経営分析、損益計算書

前回、中小企業の経営分析は大企業のそれとは異なる、と書きました。 損益計算書の分析を考えてみましょう。 損益計算書には5つの利益があります。 1、 荒利益=粗利益=売上総利益 2、 営業利益 3、 経常利益 4、 税引前当期純利益 5、 当期純利益 こ…

中小企業の経営分析は大企業のそれと大分異なる!

以前、このブログでも書きましたが、中小企業と大企業では決算書の読み方が大分違います。 本屋さんに並んでいる経営分析の本は皆、大企業向けのものであって、町の中小企業の分析には半分以上役立ちません。 何故、大企業が期間損益計算をするか、それはそ…

中小企業に「期間損益計算」は似合わない?

現金預金以外の資産なんて全て会社に迷惑をかけるものばかりだと私は考えます。 売掛金や受取手形は借入金を増やし、商品在庫は、会計学では将来の費用と教えますが、税金がかかるものです。 仕入れ時に一気に経費処理していれば、税の支払は少なくて済むは…

「資金回転率」を高める工夫は利益率を高めます。重要です。

売掛債権は通常、受取手形、売掛金等の合計を言いますが、私はいつも支払手形、買掛金の買掛債務を差し引いて考えています。 紛らわしいから、差引売掛債権と呼ぶことにしましょうか。 さて、今日のテーマは<資金回転率>を高める、です。 これって、とても…

借入金について考えてみます。

会社を設立し、借入金が発生していく過程を考えてみましょう。 最初に資本金があります。 現金 3000千円 資本金 3000千円 商売をしていくと、次の様に変わります。 現金 1000千円 資本金 3000千円 売掛金 6000千円 買掛金 4000千円 …

中小企業の「総資本」は独特の数字が見受けられます。

中小企業の総資本は独特の数字が見受けられます。 次の数字を見て下さい。 A社 総資本 1360万円 売上高 7000万円 B社 総資本 3060万円 売上高 7000万円 C社 総資本 6360万円 売上高 7000万円 A社、B社、C社共に売上高は700…

所謂、「経営分析」は大企業のものであって、中小企業には半分以上通用しません。

経営分析の頂点に位置するのが総資本利益率と、どの本にも書いてあります。 総資本利益率は総資本回転率と売上高利益率とに分解されます。 利益/総資本=利益/売上高*売上高/総資本 この算式の内、中小企業と大企業で共通するのは売上高だけです。 「貴社の…

「財務諸表」を読む!正しい財務諸表とは、自己資本が実数値に近いこと、と考えます。

発生主義での会計利益の操作は貸借対照表上に大きな歪みもたらせます。 今までたくさんの会社の清算を手がけてきました。 会社を清算するためには会社の資産を全て現金化しなくてはなりません。 その過程で過去の悪行(笑)が次々に明るみに出ます。 業績が…

財務諸表は損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の順に嘘が少なくなります(笑)

損益計算書の嘘は果てしない程です。 経常利益を大幅に動かすことなど朝メシ前です。 経営者の姿勢によって変わってきます。 赤字になると銀行融資が止まるから何とか黒字にして欲しいと言われれば黒字にするし、 余り利益が多いと税金が大変だから、もっと…

発生主義の売上なんて株式の含み益みたいなもの、現金を手にして何ぼでしょう。

。早く利食いしなきゃ、泡のように消えちゃうよ(笑) . それを痛烈に思い知らされた出来事でした。 まだ、税理士として駆け出しの頃の話です。 私のお客様に、30歳台前半の有能な青年がいました。 彼は工作機械の輸入販売を商っていました。 ある日、どう…

「キャッシュフロー計算書」とは現金主義会計の事と理解する。

大企業では「キャッシュフロー計算書」の作成が 義務付けられていますが、これは簡単に言えば 現金主義会計の事と考えればほぼ間違いないでしょう。 発生主義では 売掛金100/売上100としますが、 現金主義では 現金100/売上100とします。 現金預…

あなたの会社は現金残と帳簿残高が合っていますか?

現金残と帳簿残が合わない会社が沢山ありますね。 帳簿残は150万円なのに現金は20万円しかないとか。 差額の130万円はどこへいったのでしょうね(笑) 原因は、経費の記帳漏れか、社長や奥さんが無意識に使ってしまった のです。 例えば、こうです。…

「財務諸表の見方」負債と自己資本は逆に見る!

事業を始める時は、B/Sは次の様になっています。 第1表 借方 貸方 現金預金 3,000,000円 資本金 3,000,000円 事業を開始して、利益が出てくると、次の様に変わります。 第2表 借方 貸方 現金預金 2,000,000円 資本金 3,000,000円 売掛金 1,000,000 利益 1,00…

適正な<労働分配率>は会社経営で最も大事!

最初に用語の定義を明確にしておきましょう。 労働分配率=人件費/限界利益 労働分配率とは、人件費を限界利益で除した数値です。 人件費とは、給料だけでなく、賞与、通勤手当、法定福利費、厚生費、 その他、社員を採用すると負担するすべての費用です。 …

損益分岐点売上について

限界利益は色々な使い道があります。 1、損益分岐点売上 2、労働分配率 3、一人当たり限界利益 今日は<損益分岐点売上>について、お話してみます。 こんなP/Lの本屋さんがあったとします。 売上 70,000千円 変動費 56,560 仕入れ 56,000 包装費 560 限界…

一人当たり限界利益とは?

私が最も重視している指標、一人当たり限界利益についてお話ししましょうか。 限界利益は売上総利益とは少し違います。 小売業では同じですが、製造業では違ってきます。 売上総利益と、荒利益と、粗利益は同じです。 算式は 売上高ー売上原価=売上総利益 …

A社はどうしたら赤字経営を抜けられるでしょうか!

現在の中小企業の平均値は 一人当たり限界利益 年7,500千円 労働分配率 55% 位でしょうか。 いずれ経済活動から退場願わざるを得ない数値は 一人当たり限界利益 年4,800千円 労働分配率 70% 位でしょうか。 最も限界利益年4,800千円以…

あなたの事業の<一人当たり限界利益>と<労働分配率>はいくらですか?

過日、お客様から 「知り合いのA社が赤字で悩んでいる、財務諸表を分析してくれないか?」 という相談がありました。 P/Lを拝見すると、大まかに次の様でした。 売上 100,000千円 限界利益 42,000千円 (100%) 人件費 36,000千円 (…

資金繰り計画表ーーー資金ショートを防ぐ!

前回の資金繰り計画表で期初資金有高を800万円としたので 辛うじて資金ショートしなかったけれど、600万円で出発すると 資金が下の表のように4月で不足して資金ショートします。 1月 2月 3月 4月 5月 6月 売掛金回収 1,500 1,500 4,000 4,000 4…

経常収支過不足ーーー在庫は儲けではない!

経常収入と経常支出が計算されると「経常収支過不足」 又は、「経常収支差額」が算出できます。 「経常収支過不足」、これは意外と重要な情報です。 経常収支過不足が年間トータルでプラスになっている、 これが本当の儲けです。 在庫が増加して収支過不足が…

資金繰り計画表ーーー借入金返済表の作成!

財務支出の借入金返済欄を記入するために、「借入金返済表」 を作成しておきます。 返済表 借入金残高 A B C 計 A B C 計 国金 三菱 三井 借入れ日 H16.4 H18.10 H20.3 借入期間 5年 5年 5年 借入金額 5,000 5,000 3,000 利率 2.1% 3.5% 2.5% 12月残 249 2…

資金繰り計画表ーーー経常支出の記入!

前回、経常収入の記入を行いました。 今回は経常支出の記入をしてみます。 経常収入は売上の発生と実際の現金入金との時期が大幅に ずれますので、注意が必要でした。 経常支出の記入は、支払手形がなければ仕入れ代金の支払い が締め日とずれる点に注意を払…

利益計画表」から<経常収入>欄を作成!

資金繰り計画表を作る為に、色々な資料を準備しました。 まず、利益計画表から経常収入欄の記入を行ってみます。 利益計画表は発生ベースですから、現金ベースの 資金繰り計画表の数字とはずれています。 次のような簡単な利益計画表から資金繰り計画表の 経…

資金繰り計画表の様式は自由に設定できます!

資金繰り計画表はP/LやB/Sのように定められたものは なく、形は自由です。 自社の資金繰りの状態が最もよく分かる形で構いません。 一般に行われている様式は次の通りです。 ①経常収入 5、000 ②経常支出 4、000 ③経常収支過不足 1、000 ④財務収…

資金ショートする前に<資金繰り計画表>を作ろう!

利益が大幅に出ていても資金が潤沢とは限りません。 特に、事業が伸びている時は売掛金や在庫が先行し、 資金不足に陥り勝ちです。 資金繰り計画表を必ず作りましょう。 しかし、資金繰り計画表は簡単には作れません。 色々な準備が必要です。 作成するに当…

資金繰りは早目に計画する!

CF計算書について書きました。 しかし、CF計算書の前に日々動いている資金を管理 することも大切です。 例えば、大量の売上が発生したが、売掛金の回収 は検収後2カ月末、更に、4カ月の手形払いだった とします。 但し、その売上に係る材料費は検収前に現…

デフレ経済下では「フリー・キャッシュ・フロー」が大切!

フリー・キャッシュ・フローとは? 営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フロー を控除した金額です。 次のようなキャッシュ・フロー計算書があったとして、 営業キャッシュ・フロー 7000千円 投資キャッシュ・フロー -4000 財務キャッシュ…