税務会計三直線

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愛のために「道徳」を捨てるか!<神鵰剣侠>

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 「神鵰剣侠」金庸作 武侠小説史上最高のラブストーリー。
射鵰3部作(射鵰英雄伝、神鵰剣侠、倚天屠龍記)の
第2部目に当たります。
 
 文庫本で15冊という大長編です。
 
 郭嘯天ーーー郭靖ーーー郭襄
 
 楊鉄心ーーー楊康ーーー楊過
 
 郭家と楊家の3代にわたる確執と愛憎の長い物語です。
 
 2作目の「神鵰剣侠」は孫の楊過と楊過の師匠でもあり
恋人でもある<小龍女>との大恋愛が主テーマになって
います。
 
 楊過が10歳、小龍女が16歳頃でしょう。
 
 世間から隔離された古墓の中で、小龍女を師として二人
は武芸の研鑽に励みます。
 
 やがて、成人するにつれ、師弟愛は男女の愛に変わって
いく、ごく自然の流れでしょう。
 
 しかし、その当時の中国では、師弟の間柄は親子と同じ
で師と弟子が恋愛や結婚をすることは親子が結婚するのと
同じ、という考えだったようです。
 
 二人は深く愛し合い、世間の全てを敵に回して
自分達の愛を貫きます。
 
 日本の性道徳を考えても、
 
 万葉の時代はおおらかに見えました。

 中大兄皇子大海人皇子の妻であった「額田王」に懸想
してこれを奪い、実の娘の「さらら皇女」を代わりに押し付けた
という話だし、
 
 嘘か真か分かりませんが、性道徳はおおらかだったんでしょう。
 
 儒教を中心に据えた江戸時代は一変して厳しくなりました。
 
 凡そ、我々の行動はその時代の慣習や礼、道徳規準に拘束
されますが、それらの基準はその時代によって変わるものだし、
 
 人間の本来の生きがいや幸せとは相容れないことが多々
あります。
 
 楊過と小龍女の愛は何十年にもわたって変わることがなく、
小説とは言え、随分と考えさせられました。
 
 お前が楊過の立場ならどうする、と自分の胸に問うてみるに、
 
 私は余り出世慾もなく、世間体も気にしないほうだし、
多分、自分の気持ちに忠実に生きると思うから、楊過の生き方
を支持します。