税務会計三直線

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間口の狭い不整形地(旗状地)の評価!

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 今回は間口の狭い、旗のような形をした不整形地の評価を
説明します。
 
 下記のような条件の土地を評価してみましょう。
 
1、地目   宅地
2、地積   336㎡
3、正面路線価  250千円
4、借地権割合  60%
5、地形
    間口  3.5m
    奥行  30m
    横幅  20m
       
6、利用区分    自用地
7、地区区分  普通住宅地区
 
計算例
 計算は少し複雑です。
 
 計算の順序は、まず、想定整形地の価額を算出してから前面地の価額を計算し、
想定整形地の価額から前面地の価額を控除して不整形地の価額を算出します。
 
 次に、不整形地の価額に不整形地補正率を乗じて自用地の評価額を計算します。
 不整形地補正率は2つの計算式のどちらか低い方を補正率とします。

 ①全体の整形地の奥行価格補正率ーーー普通住宅奥行30mは0.98
 ②Y部分(前面地)の奥行価格補正率ーーー16mは1.00
 ③間口狭小補正率ーーー普通住宅地区3.5mは0.90
 ④奥行長大補正率ーーー30m÷3.5m=8.57
            普通住宅地区8.57は0.90
 
  
 ⑤全体の整形地の価額

  路線価   奥行価格補正率  地積
  250000円 × 0.98 × 600㎡=147,000,000円
 
 ⑥Y部分(前面地)の地積の価額
 
  路線価  奥行価格補正率  地積 注1
  250,000円 ×1.00 × 264㎡=66,000,000円

    注1 地積 16m×16.5m=264㎡
 
 ⑦X部分(評価地)の価額
 
   全体の価額        前面地の価額
  147,000,000円ー66,000,000円=81,000,000円
  
 ⑧不整形地補正率の計算
 
  想定整形地の地積
   20m×30m=600㎡
 
  かげ地割合
  想定整形地  不整形地の地積 想定整形地の地積 かげ地割合
 (600㎡  ー 336㎡) ÷ 600㎡  = 44%
 
  不整形地補正率表の補正率ーーーー0.85

 不整形地補正率ーーー次の1、2のいずれか低い率、0.6を限度とする。
 
 1、不整形地補正率表の補正率  間口狭小補正率
    0.85     ×   0.90  = 0.765
 2、奥行長大補正率  間口狭小補正率
    0.90  ×  0.90  = 0.81
 
 3、0.81>0.76
   :不整形地補正率は0.76
 
  X部分の価額     不整形地補正率
 81,000,000円 × 0.76  =  61,560,000円
 
 評価額は、61,560,000円でした。