税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

形の歪んだ土地(不整形地)の評価!その1

イメージ 4
イメージ 3
イメージ 2
イメージ 1
 不整形地の評価は少し面倒です。
 三角形の土地もあれば、五角形の土地、菱形の土地、波打った土地
と様々です。
 
 今回は少し歪んだ五角形の土地を評価してみます。
 
 1、地積    220㎡(自用地)
 2、間口    10m
 3、奥行距離    ?
 4、正面路線価 250,000円
 5、地区    普通住宅地区
 6、借地権割合 D(60%)
 7、想定整形地 25m×20m=500㎡
 
 不整形地の評価で使う表は次の通りです。
 
 ① 奥行価格補正率表
 ② 地積区分表
 ③ 不整形地補正率表
 ④ 間口狭小補正率表
 ⑤ 奥行長大補正率表
 

2、自用地の価額の計算

 計算の順番は、
  ① 平均的な奥行距離の計算 をします。
 
 ②「地区区分表」からA、B、Cのいずれの区分に該当するかを
  判定します。
 
 ③「想定整形地」を計算して、かげ地割合を算出し、「不整形地補正率表」
  から「不整形地補正率」を求めます。
 
 ④「間口狭小補正率」の適用がある場合には「不整形地補正率」に
  「間口狭小補正率」を乗じた数値が「不整形地補正率」になります。
  
   この場合、下限は60%となります。
 
 ⑤ 又、「奥行長大補正率」に「間口狭小補正率」を乗じて得た数値と③
  で評価した数値とのいずれか低い方を選択することもできます。
 
  この場合も60%を限度とします。
 
  それでは、実際に例題を計算してみましょう。
  
1、平均的な奥行距離の計算
 
  奥行価格補正をする時の奥行きは、次の計算式で計算
 します。

  不整形地の面積÷間口距離

 但し、不整形地に係る想定整形地の奥行距離を限度とします
 
  想定整形地は上の図のように、土地の形の接点を結んで、
 正方形又は長方形の形を作ります。
 
 例題の想定整形地は奥行き25m、巾20mです。
 
  不整形地の面積 その間口距離 平均的な奥行距離
   220㎡  ÷  10m   =  22m
 
  想定整形地の奥行    平均的な奥行距離
    25m    >    22m
 
  想定整形地の奥行 25mを超えていないので、奥行距離
 は22mになります。
 
2、自用地1㎡当りの価額
 
          奥行価格
 正面路線価  補正率(注1)  
 250,000円×1.0 =250,000円ーーーA
 
 Aの価額     不整形地補正率(注2)
 250,000円× 0.75   = 187,500円ーーーB
 
  注1、奥行価格補正率
    普通住宅地区で奥行距離22mは、1.0 です。
 
  注2、不整形地補正率の計算

  ① 想定整形地の間口 想定整形地の奥行 想定整形地の地積
     20m    ×    25m    =    500㎡

  想定整形地の地積 不整形地の地積 想定整形地の地積 かげ地割合
   (500㎡  -  220㎡ ) ÷   500㎡   =    56%
 
  ② 不整形地補正率表の補正率(注3 間口狭小補正率(注4)
    0.75       ×   1.00  = 0.75
 
  注3、不整形地補正率表の補正率
 
   最初に、地区区分で、A、B、C、のいずれの地区区分に該当するか
  判定します。
 
   普通住宅地区で、500㎡未満、は、A、の地積区分です。
 
   普通住宅地区で、Aの地積区分で、かげ地割合56%以上は、0.75
  です。
 
  注4、間口狭小補正率
   間口10m、で、普通住宅地区は、補正率1.00です。
          
  
 1㎡当たりの正面路線価   不整形地の価額   
  250,000円-187,500円=62,500円
 
  62,500円÷250,000円 = 25%

  25%も1㎡当りの価額が安くなりました。
 
3、自用地の評価額
   Bの価額    不整形地の地積    相続税評価額
  187,500円×220㎡ = 41,250,000円
 
 少し、複雑でしたね。
 
 次回は「奥行長大補正率」と「間口狭小補正率」を使った方法を
説明します。