税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

<比準割合>何故、1株当たりの資本金等を50円とするのか?

 類似業種比準価額の計算は、法人税会計学の知識を
若干、要求されます。
 
 しかし、計算をする時に一番戸惑うのは評価会社の
数値を全て、1株50円に統一することではないでしょうか。
 
 何故そうするの?
 
 どうやって1株50円に計算したらいいの?

 昔は額面50円の会社がほとんどでした。
 
 上場会社は500円や1000円だと計算しにくいので、
それだけで人気が出なくて株価が安くなっていました。
 
 A会社の株価が250円だとすると、額面の5倍だな、
とすぐ分かります。
 
 株価が2500円?随分高いじゃないか、そんなに
良い会社とは思えないけど。
 
 何?額面が500円?分かり難い会社だなあ!
 
 そんな感じでした。
 
 だから、会社は皆、額面50円としました。
 
 ある頃から急に1000円の会社や、NTTが発売された
時は1株(だったと思いました)500,000円なんて言うんで違和感を覚えた
ものです。
 
 標本会社が1株50円で統一されているのは昔からの
名残りでしょう。
 
 配当も利益も純資産価額も、標本会社の数値は額面金額
50円とされています。
 
 評価会社も額面50円に算出し直さないと両者が
比較できません。
 
 今の会社法には額面金額がないので、その代わり
1株当たりの資本金等を50で割り、仮定の発行済株式数
を求め、
 
 その仮定の発行済株式数で類似業種比準価額を求めていきます。
 
 例えば、
 
1、直前期末の資本金額 5,000万円
 
2、直前期末の発行済株式数 100,000株
 
3、1株当たりの資本金の額   500円

の場合、仮定の発行済株式数は
 
50,000,000円÷50=1,000,000株

1,000,000株で、配当、利益、純資産価額を割り、
1株(50円)当たりの金額を求めます。
 
標本会社が1株当たり50円になっていますから、
これで両者は同じ土俵で比較することが出来るわけです。