税務会計三直線

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<1株当たり純資産価額>負債の計算

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1株当たり純資産価額の計算の算式は、

1、相続税評価額ー法人税等相当額=純資産価額
2、純資産価額÷発行済株式数=1株当たりの純資産価額
 
例を挙げて計算してみます。
 
1、相続税評価額による純資産

資産(167,000)-負債(7,000)=167,000千円

2、帳簿価額による純資産

資産(150,000)-負債(7,000)=143,000千円

3、評価差額

167,000-143,000=17,000

4、評価差額に対する法人税等相当額

17,000×45%=7,650千円

5、純資産価額

167,000-7,650=152,350千円

6、1株当たりの純資産価額

152,350÷20,000株=7,617円

上記の算式のように、相続税評価額、帳簿価額、それぞれに
資産ー負債で純資産価額を計算します。

前回、資産について説明しました。

今回は、負債についてです。

財評基本通達186、に規定されています。

1、貸倒引当金、納税充当金その他の引当金、準備金は
 負債に含まれない。

2、課税時期に属する事業年度に係る法人税、消費税、事業税
 道府県民税、市町村民税は含まれる。(課税時期に未払いのもの)

3、課税時期以前に賦課期日のあった固定資産税のうち、
 課税時期において未払いの金額、

4、被相続人の退職手当金、功労金その他これらに準ずる
 給与の金額、
 
課税時期とは、被相続人の死亡日です。

具体的な数字で表現してみます。
 
B/S             相続税評価額 帳簿価額
  1,000 買掛金    1,000    1,000
  1,000 借入金       1,000    1,000
    500 その他負債    500      500
    200 貸倒引当金  ---       ---
    200 賞与引当金  ---       ---
  1,000 納税充当金  ---       ---
 10,000 資本金      ---       ---
143,000 繰越剰余金  ---       ---
---    未払法人税   1,000    1,000
---   未払消費税     500      500
---   未払県民税     200      200
---   未払事業税     500      500
---   未払市民税     500      500
---   未払退職金   1,800    1,800