<小規模宅地等の特例>」がとても有益で重要な特例で
あることは、今までの説明でお分かりいただけたと思いますが、
<小規模宅地等の特例>を定めているのは措置法69条の4
という、
たった1つの条文です。
これを補佐するものとして、措置法施行令40条の2、施行規則
23条の2、
通達が69ん04-1から4-39まであります。
あと、国税庁HPに<質疑応答事例集>が少しあります。
意外と少ないですね。
では、租税特別措置法69条の4、が、
どのような内容で、どのような構成になっているのかを説明します。
<小規模宅地等の特例>を適用する為には、適用要件という
様々なハードルを一つ一つクリアして全ての要件を満たさねば
なりません。
4つの特例に共通する適用要件と、各特例独自の適用要件が
あります。
例えば、
<特定居住用宅地等>を例にとれば、
1、 一般要件(4つの特例に共通します)
2、 居住者の要件
3、 建物所有者の要件
4、 地代・家賃要件
5、 配偶者・同居親族の要件
6、 取得者の要件
7、 所有継続要件
8、 居住継続要件
更に、限度面積と減額割合が定められています。
これらの全ての要件が措置法69条の4、と、その関連政令、
通達に書かれています。
第69条の4の構成
第69条の4は第1項から第9項まであります。
第1項
一般要件――4つの減額対象宅地等に共通する要件が書いて
あります。
減額割合――特例宅地ごとに減額割合が違います。
第2項
限度面積――割合ではなく、減額対象の面積が規定されています。
第3項
4つの特例宅地等の意義
① 、特定事業用宅地等とは、
② 、特定居住用宅地等とは、
③ 特定同族会社事業用宅地等とは、
④ 貸付事業用宅地等とは、
第4項
申告要件
第5項
更正の請求
第6項
提出書類、添付書類
第7項
宥恕規定
第8項
省略
第9項
省略
以上の9項です。
それでは早速、第1項から見ていきましょう。
第1項は、一般要件と減額割合が定められています。
条文は以下の通りです。
措置法第69条の4、第1項
個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、
当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(第三項において「被相続人等」という。)の事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。同項において同じ。)の用又は居住の用に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利をいう。同項及び次条第五項において同じ。)
で財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもので政令で定めるもの(特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等に限る。以下この条において「特例対象宅地等」という。)がある場合には、
当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係る全ての特例対象宅地等のうち、当該個人が取得をした特例対象宅地等又はその一部でこの項の規定の適用を受けるものとして政令で定めるところにより選択をしたもの(以下この項及び次項において「選択特例対象宅地等」という。)については、限度面積要件を満たす場合の当該選択特例対象宅地等(以下この項において「小規模宅地等」という。)に限り、相続税法第十一条の二 に規定する相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該小規模宅地等の価額に次の各号に掲げる小規模宅地等の区分に応じ当該各号に定める割合を乗じて計算した金額とする。
一 特定事業用宅地等である小規模宅地等、特定居住用宅地等である小規模宅地等及び特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地等 百分の二十
二 貸付事業用宅地等である小規模宅地等 百分の五十