税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

一般要件と減額割合<小規模宅地等の特例>


前回は措置法69条の4という<小規模宅地等の特例>
を定めている条文の全体像のようなものを説明しました。

今回は69条の4の内、第1項の一般要件と減額割合
を解説します。

措置法69条の4、第1項はこの後説明する特定減額宅地等
に共通する、言わば、一般原則が規定されています。
 
一般要件
 
一般要件のポイントを挙げていきます。
これはほとんど条文に沿った解説です。
 
① 、個人が

法人は対象外となります。
人格のない社団も適用外であることが国税庁
「質疑応答集」で回答されています。
 
② 、相続又は遺贈により取得した財産であること、
 
贈与により取得した財産は対象外です。

3年内贈与財産・相続時精算課税制度の適用を受けた
財産も適用外です<基本通達69の4-1>
 
③ 、相続開始直前において

10年前に居住していたけれど、今は空き家です、
 といったものは対象外です。
④、
被相続人の事業(又は居住)の用に
供されていた宅地等

又は、生計一親族の事業(又は居住)の用に
供されていた宅地等
 
この要件に外れる、生計別親族や他人の事業又は居住の
用に供されている宅地等は対象外です。

⑤ 、被相続人が所有していた宅地等であること、

⑥ 、建物又は構築物があること

空駐車場のように建物又は構築物のない土地等は対象外です。

⑦  ,限度面積要件を満たすものであること
 
限度面積については次の第2項で記述されています。
 
減額割合


相続税の課税価格に算入すべき価額は、次の割合を
乗じて計算した金額とする。
 
① 、特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等
     100分の20
② 、貸付事業用宅地等
     100分の50

 
参考
基本通達69の4-1

相続開始前3年以内の贈与財産及び相続時精算課税の適用を受ける財産)


69の4-1 措置法第69条の4第1項に規定する特例対象宅地等(以下69の5-11までにおいて「特例対象宅地等」という。)には、被相続人から贈与(贈与をした者の死亡により効力を生ずべき贈与(以下「死因贈与」という。)を除く。以下同じ。)により取得したものは含まれないため、相続税法(昭和25年法律第73号)第19条*1の規定の適用を受ける財産及び相続時精算課税(同法第21条の9第3項*2の規定(措置法第70条の3第1項において準用する場合を含む。)をいう。以下70の7の2-3までにおいて同じ。)の適用を受ける財産については、措置法第69条の4第1項の規定の適用はないことに留意する。(平16課資2-8、平18課資2-4、平19課資2-7、課審6-5、平20課資2-1、課審6-1、平21課資2-7、課審6-10、徴管5-13改正)


*1:相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税

*2:相続時精算課税の選択