税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

法人税率と所得税率を絡めて節税する方法

 法人税所得税を絡めた今回の節税方法は、所得税だけの場合
より少し複雑ですね。
 税率表を眺めてみましょうか。

  法人税率           所得税

 法人所得             195万円以下   5%
  800万円以下  22%    330万円以下  10%
  800万円超   30%    695万円以下  20%
                  900万円以下  23%
                 1800万円以下  33%
                 1800万円超   40%

 法人税率と所得税率を比べてみると、所得税率は695万円以下は
20%ですから、法人所得の800万円以下の22%より安くなって
います。

 この辺がヒントですね。

 今、次の様なP/Lの会社があったとします。
       売上     50000千円
       原価     10000
       売上総利益  40000

       役員報酬   10000 (社長8000千円、妻2000千円)
       その他経費  20000

       利益     10000千円

 上記の会社が納める法人税所得税の総額は次のようになります。

    給与収入    給与所得控除  基礎控除   課税所得
 社長 8000000-2000000-380000=5620000円
    課税所得   税率   控除     税額
    5620000*20%-427500=696500円
    給与収入    給与所得控除 基礎控除  課税所得
 妻  2000000-780000-380000=840000円
    課税所得  税率  税額
    840000*5%=42000円
 法人税
    8000000*22%=1760000円
    2000000*30%= 600000円
     法人税額  2360000円
 総額
    696500円+42000円+2360000円=3098500円

 これをどう改善すれば、税金がもっと安くなるでしょうか。
 節税の基本は昨日のブログにも書きましたが、税率を低い領域で並べる、
でしたね。

 法人税率30%の領域を削ってみましょう。

 妻の課税所得は84万円ですから、ここを所得税率10%の領域、3300000円
まで引き上げます。

 妻の給料を5000000円にすると、次の様に換わります。

 P/L
  売上     50000千円
  原価     10000
  売上総利益  40000

  役員報酬   13000(社長8000、妻5000)
  その他経費  20000

  利益      7000千円

 税金の総額は次の様になります。

 社長の税金           738500円で変わらず
 妻の税金
   給与収入   給与所得控除 基礎控除   課税所得
  5000000-1540000-380000=3080000円
  課税所得    税率  控除   税額
  3080000*10%-97500=210500円
 法人税     税率   税額
  7000000*22%=1540000円
 総額                       税の総額
  738500円+210500円+1540000円=2489000円

 3098500円-2489000円=609500円

 609500円も節税されました。住民税を加えると、もっと節税
になっているでしょう。