現行の「法定相続分課税方式」は法定相続人数をもとに相続税の総額
を算出し、それを実際の相続分に応じ案分して課税する方法です。
この方式の欠点として、政府税調は
1,取得した財産が同額でも、相続人数によって税額が異なる、
2,小規模宅地等の減額が、無関係な共同相続人の税負担まで緩和される、
等を挙げています。
特に、今年10月以後の相続から遡及適用される事業承継税制の改正が
大きく影響しているようです。
「節税策はどう変わるか!」
これから、よく考えていきたいと思いますが、少なくとも、2人枠の
養子縁組で法定相続人の数を増やすなどという節税策はもう必要なくなる
でしょう。
法定相続分課税方式とは、
例えば、
遺産総額が1,5億円で法定相続人が妻と子供2人だとすると、誰が
いくら取得するかに関係なく、
遺産総額 基礎控除(注1)
150,000,000円ー80,000,000円=70,000,000円
相続分
妻分 70,000,000円*1/2=35,000,000円
税率
35,000,000円*20%ー2,000,000円=5,000,000円
相続分
子供A 70,000,000円*1/2*1/2=17,500,000円
17,500,000円*15%ー500,000円=2,125,000円
子供B 税額は同上
相続税の総額
妻分 子供2人分 相続税総額
5,000,000円+2,125,000円*2人=9,250,000円
(注1)基礎控除
定額部分 法定相続人数
50,000,000円+10,000,000円*3人=80,000,000円
以上のような計算で、誰が取得したかに関係なく、例えば、
妻が全部取得しても、子供Aが全部取得しても、相続税の総額
9,250,000円には変わりはない、というのが現行制度です。
遺産取得課税方式とは
まだ、詳細が発表されていませんが、たぶん、所得税と同じように
財産を取得した人がそれぞれ、
取得財産ー基礎控除=課税価格
課税価格*税率=相続税額
という計算になると思います。