税務会計三直線

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ベートーヴェンの「熱情」と下宿先の女子学生(青春の2ページ)


ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調≪熱 情≫ バックハウス Beetoven Piano Sonata No.23〈Appassionata〉


ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番 「皇帝」 変ホ長調 バックハ

 

 

10代の時読んだゲーテの「若きウエルテルの悩み」はそれほど

感銘を受けなかったけれど、


 20代になって失恋して心に深い傷を負ったとき「ウエルテル」

を読んだら、彼の気持ちがよく分かりました。

 

 人間は経験によって心が深くなっていくのだ、と悟りました。

 

 ベートウベンのピアノソナタ「熱情」は丁度そんな時に聴きました。

 

 ベートウベンは失恋したことがあるな(笑)と思いましたよ。

 

 一人の人間の心魂こめたある主題が波のように繰り返し繰り返し

私の魂の奥深くを揺り動かすのです。

 

 聴いていると胸が強く締め付けられるような切なさを覚えました。

 

 同じ下宿先に日大の建築科に通う女子学生がいました。

 

「あら、建築は絵画、彫刻、建築は勿論、物理、化学、数学、

天文学等、全てを含む総合芸術よーーー」

 

といつも元気に吠えまくって、希望そのものと言った感じの明るい

御嬢さんでしたね。

 

彼女はステレオを持っていなくて、時々、私の部屋に遊びにきて

音楽を聴いていくんです。

 

そんなある日、私が「熱情」を聴いていると、

 

「「熱情」が好きなんですか?」と聞くから

「失恋するとこの曲は心に沁みるんだよ」

「そう、でも私ならそんな時はピアノ協奏曲の「皇帝」の方がいいわ、

明るくパッと忘れたいじゃない」

「でも、その明るさに耐えられないほど心が傷ついているって事もあるでしょう」

そう言うと、彼女は黙ってしまいました。

 

19歳の彼女はまだ何の挫折も知らず、明るく颯爽と人生を生きているに

違いないと思いました。

 「熱情」はバックハウスの演奏が重厚で一番好きです。