税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

中小企業の経営分析 荒利益高は重要!

損益計算書で一番重要な項目は何だと思いますか?」

「それは売上高に決まってるじゃないですか」

「残念でしたーーーー。荒利益高が一番重要なんです」

「え?---」

「経費が1千万円かかる会社があるとして、売上が1億円
あっても荒利益高が0円なら1千万円の赤字でしょう。

 例え、売上が30,000円でも荒利益高が11,000千円
あれば、1,000千円の利益が出るんです。だから、
荒利益高の方が重要なんです」


 さて、今日からお話するのは荒利益高です。

 利益率は確かに大切だけど、どんなに荒利益率を高く
しても、荒利益高の量が不足すれば赤字になります。

 その点では荒利益率よりも、荒利益高の方が大切
です。

 それはそうでしょう。

 単純に考えて、荒利率が50%あっても、売上が
少なく、荒利益高が20,000千円で、経費が
30,000千円かかったら、当然、10,000千円
の赤字になります。

 先日、お話した機械部品販売のB社は値引き販売を
し過ぎて、7%しか荒利益率がなく赤字に陥りました。

 そこで私は経費の金額を考えて、20%の荒利率を
維持するよう社長にお願いしました。

 例えば、B社が5人のメンバーの会社で、経費として
給料、諸経費、支払利息の合計が5000万円かかる
とします。

 その経費に500万円の利益を加えて、荒利益高
が5500万円あればいいわけです。

 荒利益率が7%でも、8億円の売上があれば、経費
を差し引いて600万円の利益がでます。

 損益計算書は次のようになります。

 売上高     800,000千円
 売上原価    744,000

 売上総利益    56,000

 諸経費      55,000

 利益        6,000千円