税務会計三直線

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意外と面倒な貸し駐車場の税務 その3 コインパーキングの場合!

 未利用の土地を有効活用したいが、アパートを建築する資金は
ないし、銀行から借り入れるのも気が進まない、という場合、

 土地を一括でコインパーキング業者に賃貸するという方式になります。

 この駐車場運営会社に一括貸しする形式、いわゆる「一括借り上げ方式」
を説明します。2つの場合があります。

 A、「更地貸し」土地所有者がアスファルト舗装せず貸す方式、
        業者が自らの費用でアスファルトや車庫などの
        設備を施す。

 B、「施設貸し」土地所有者がアスファルト舗装をした上で貸す、
        後の設備は業者が行う方式、

 これらの場合の各種税務を検討してみます。

1、所得税

  A、Bともに「不動産所得」となります。

  青色申告で、50台以上は「事業的規模」で65万円控除、
 青色事業専従者給与支給の適用となります。

2、消費税

  青空駐車場の場合は「土地貸し」として非課税になりますが、
 施設を施しているコインパーキングの場合は課税対象となります。

  ただ、課税対象売上が1000万円を超えなければ免税となり
 ますが、これからはインボイス制度の導入があり、駐車場の
 消費税は難しくなりますね。

3、相続税

 ①、自用地評価

  基本的には構築物が施されていても「自用地評価」となります。

  ただ、コインパーキング業者に土地を貸す場合は「土地の賃貸借」
 になりますので、自用地評価から「賃借権」部分を差し引いた、
 下記の金額となります。

  自用地としての価額×(1-残存期間に応ずる割合)

 残存期間に応ずる割合は国税庁に一定の表がありますので参照して下さい。

 ②、小規模宅地等の特例

  土地の上に施設が施されているので「更地貸し」「施設貸し」共に
 「特定貸付事業用宅地等の特例」の適用があり、200㎡まで50%
 の減額があります。

 3、個人事業税

  個人事業税は、駐車場の経営が「駐車場業」に該当する場合、納付する
 必要があります。

  「駐車場業」とは、駐車可能台数が10台以上の場合、を言います。

  駐車場業に該当すると、他の事業所得、不動産所得と合計して
 年間290万円を超える所得に対して、5%の個人事業税を納める
 ことになります。

4,固定資産税、償却資産税

  土地の所有者に固定資産税が課税されます。

  市街化区域にある場合には、

固定資産税=課税標準額×1.4%

都市計画税課税標準額×0.3%

  又、アスファルト舗装を施す「施設貸し」の場合は、構築物ですので、
 未償却残高に対して別途、償却資産税が課税されます。

償却資産税=課税標準額×1.4%