相続税の申告で必ず問題になるのが、妻や子供の名義に
してある預金です。
私「この預金は奥さんや子供さんの名義になっていますが、
単に名義を分散してあるだけですからご主人の相続財産
になります」
妻「主人が子供に贈与していたわけですから、子供のものであって
相続財産とは違うでしょう」
こういう会話は相続の時によく交わされます。
しかし、これは贈与とは言わないものであって、もし、相続財産
から除外すれば100%否認されます。
さて、それでは贈与とは一体何でしょうか?
民法では次のように決めています。
<自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれを
受諾することによって成り立つ契約>
つまり、ただであげます、と言って、相手が「はい、いただきます」
と了解して初めて成り立つのが贈与契約で、一方的に与えるのは贈与
ではないわけです。
相続税の税務調査で、過去に贈与されたものが相続財産を形成しない
と認められるためには、次のような措置が必要です。
1、贈与税の申告をして、その申告書が保管されてある。
2、公正証書でしっかり契約されている。
3、財産の管理を受贈者が行っている。
こうして、受贈者がしっかりその財産を受領したという意思が表示されて
初めて贈与が成り立ちます。
特に、受贈者が無職の妻や学生の子供であったりする時は絶対に必要な措置です。