税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

マンション投資 その3 借入金の返済期間と税法の耐用年数を合わせる。

 利益があがっているのに現金が足りなくて、借入金の返済に苦労する場合
は、大抵、返済期間が短かすぎるケースです。

 例えば、話を分かりやすくするために全額借入金で、返済期間が短かい
購入を考えてみます。

 購入価格   1200万円
 借入金    1200万円
 返済期間     20年
 鉄筋コンクリート造 新築
 
 

 耐用年数 47年、償却率 0.022
 
 12,000,000円*0.022=264,000円ーーー減価償却
 借入金の返済期間
  20年の場合
 12,000,000円/20年=600,000円ーーーー1年間の返済合計

 本来、マンション購入の借入金返済は減価償却費で行うのが本筋です。
このケースだと600,000円ー264,000円=336,000円
で、336,000円も不足です。

 残った利益金を借入の返済に充当するようです。しかも、20年間
にわたってです。

 借入金の返済期間を35年にすると
 12,000,000円/35年=342,857円
 342,857円ー264,000円=78,857円

78,857円だけ利益から充当することになりますが、20年
よりは大分楽です。

 ここで言えるのは、新築の購入で返済金と減価償却費を合わせるためには
かなり現金を投入する必要があるということです。

 そこで、自己資金が少なくマンションを買おうとすると、どうしても
中古マンションということになります。


 10年経過した中古マンションを自己資金300万円で購入すると、

 購入価格    1200万円
 自己資金     300万円
 借入金      900万円
 借入期間      30年
 鉄筋コンクリート造 10年経過の中古マンション
 耐用年数      39年
 39年の償却率   0.026

  *中古の耐用年数の計算

   法定耐用年数  経過年数   経過年数      中古資産の耐用年数
  ( 47年  - 10年 )+ (10年 * 0.2)=39年

 12,000,000円*0.026=312,000円ーーーー減価償却
 9,000,000円/30年=300,000円ーーーー1年間の返済合計

 これで、返済金が減価償却費の中に収まりました。
 資金の回転が楽になると思います。