税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

区分して計算する方法<不整形地の評価>

区分して何を計算するのか?

勿論、整形地としての価額を算出するのです。

整形地としての価額を求め、その価額に
不整形地補正率>を乗じて評価額を計算する、

その方法として「財評基本通達}は4つの方法
を規定しています。

それは前回お話ししました。

4つの内、いずれかの方法で計算する、となっていますから、
一番有利な方法を選択します。


今回はその4つの方法の第1番目、区分して
計算する方法を紹介します。

勿論、この区分して計算する方法は、次回に説明
する、

平均的な奥行距離を求めて計算する方法、

を選択することもできます。

いずれか有利な方法を選択します。

1、 区分して求めた整形地を基にして計算する方法、
 
 この方法は下図のように不整形地をいくつかの
長方形に区分して整形地を求めるのに向いています

それぞれの整形地の評価した価額の総和を基として、
その総和の価額に<不整形地補正率>を乗じます。

 

    200D    
  間口4m 間口4m 間口  
      2m  
  奥行25m 奥行15m 奥行  
      20m  
    地積60㎡    
      地積  
  地積   40㎡  
  100㎡ かげ地    
         


     


(1) 不整形地を整形地に区分して個々に<奥行価格補正>
を行った価額の合計

① 、路線価  奥行価格補正率 
 200,000×0.99 × 100㎡=19,800,000円

② 、路線価  奥行価格補正率
 200,000×1.00 × 60㎡=12,000,000円

③ 、路線価  奥行価格補正
 200,000×1.00 × 40㎡=8,000,000円

 

④ 、個々の整形地の価額の合計額
 19,800,000+12,000,000+8,000,000=39,800,000円

⑤ 、1㎡当りの整形地としての価額

個々の整形地の合計額  地積 
39,800,000円 ÷ 200㎡=199,000円

(2) 不整形地補正率
 
① 、かげ地割合

想定整形地の地積 不整形地の地積 想定整形地の地積
(250 ― 200) / 250  = 20%

普通住宅地区、地区区分 A
かげ地割合      20%

の場合、不整形地補正率表の補正率は、  0.94

間口狭小な宅地については、次の計算を行います。

イ、不整形地補正率 間口狭小補正率
   0.94 × 1.00 = 0.94

ロ、奥行長大補正率 間口狭小補正率
   0.98 × 1.00 = 0.98

 

上記、イ・ロのいずれか低い率。0.6を限度とする。

 従って、不整形地補正率は、 0.94

今回は間口狭小な宅地ではないので補正率は変わりません。

(3) 評価額

1㎡当りの整形地の価額 不整形地補正率 
  199,000円  ×  0.94 
1㎡当りの価額
= 187,060円

1㎡当りの価額  地積    評価額
187,060円 ×200㎡ =37,412,000円