税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

無道路地の評価、具体例!

今回は無道路地の評価の具体例を示します。

次の図のような無道路地がありました。

この宅地はどのようにして評価するのでしょうか?

これは国税庁が無道路地の評価の具体例として掲載
しているものです。
そのまま、紹介します。

                        (通路開設後想定図)

 100E    100E 
   
20m{2}前面宅地2m
(かげ地400㎡)通路部分の地積地積40㎡
   
     
20m{1}無道路地 無道路地 
 (400㎡)  
横20m    


1 無道路地[1]の奥行価格補正後の価額


(1) 無道路地[1]と前面宅地[2]を合わせた土地の奥行価格補正後の価額

奥行価格補正率(40m){1}+{2}の地積の合計
100千円×0.92 × 800㎡ =73,600千円

(2) 前面宅地[2]の奥行価格補正後の価額


奥行価格補正率(20m) {2}の地積
100千円×1.00× 400㎡=40,000千円


(3) (1)の価額から(2)の価額を控除して求めた無道路地[1]の奥行価格補正後の価額


{1}+{2}の価額 {2}の価額 {1}の奥行価格補正後の価額
73,600千円ー40,000千円=33,600千円


2 不整形地補正(又は間口狭小・奥行長大補正)

O 不整形地補正率0.79(普通住宅地区・地積区分A・かげ地割合50%)

<かげ地割合=(800㎡ー400㎡)/800㎡=50%


○ 間口狭小補正率 0.90(間口距離 2)


○ 奥行長大補正率 0.90(間口距離 2・奥行距離 40)


不整形地補正率 間口狭小補正率
0.79×0.90=0.71


間口狭小補正率 奥行長大補正率
0.90×0.90=0.81


0.71<0.81より不整形地補正率は0.71

{1}の奥行価格補正後の価額 不整形地補正率
33,600千円×0.71=23,856千円

3 無道路地としてのしんしゃく(通路部分の価額)


通路部分の地積
100千円×40㎡=4,000千円<23,856千円×0.4

4 評価額

不整形地補正後の{1}の価額 通路部分の価額 無道路地の評価額
23,856千円ー4,000千円=19,856千円

(評価通達20-2)





上記の宅地の価額は19,856千円でした。

複雑な計算の結果、半値以下に下がりました。

道路に接していれば、

100千円×400㎡=40,000,000円

です。

しかし、利用価値のない宅地が、相続税の税率30%領域
なら、

19,856千円×30%=5,956,800円

の税金を支払うことになります。

それなら、5、000千円で売ってしまう方がいいと私なら
考えますけど。