税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

中抜き方式<不整形地の評価>


財産評価基本通達では3番目に<近似整形地>を求め、
その設定した近似整形地を基として計算する方法、

がありますが、

それを飛ばして、<中抜き方式>を先に説明します。

やはり、4番目の<中抜き方式>の方が
圧倒的に使用率が高いからです。

下図のような不整形地ですね。

分譲住宅等によくある、細い私道の奥に
宅地があるケースです。

間口4mの長い私道の先に私道も含めて
408㎡の宅地があります。

こうした宅地は、

A+Bの全体の地積の価額から


Bの地積の価額を控除して、整形地の価額を求めます

その整形地の価額に不整形地補正率を乗じて
408㎡の地積の評価額を計算します。

中抜き方式>を使った方が単に奥行価格補正率
で計算するよりも大抵安くなります。

理由は、全体の奥行価格補正率より中抜き部分の
補正率の方が率が高くなるからです。

  200C  
間口 
4m12m
 192㎡
  
  16m
  
 
  
 地積408㎡18m
奥行 
30m 
  
 巾 20m 


上図を計算してみましょう。

参考、

奥行価格補正率

 普通住宅地区 12m  1.00
 普通住宅地区 30m  0.98

地積区分表   A

間口狭小補正率 

 普通住宅地区  0.94

奥行長大補正率

 30÷4=7.5  0.90

①、A+B(全体)

200,000×0.98×600㎡=117,600,000円

②、B(隣接地)

200,000×1.00×192㎡=38,400,000円


③、408㎡の価額

 ①      ②  
117,600,000-38,400,000=79,200,000円ーーF

不整形地補正率の計算

①、想定整形地

      地積
(600㎡ー408㎡)÷600㎡=0.32

 補正率表の補正率  0.90

②、不整形地補正率
 
補正率表の補正率 間口狭小補正率 
 0.90 × 0.94 = 0.84
奥行長大補正率 間口狭小補正率
 0.90 × 0.94 = 0.84

どちらか低い方、  0.84

③、評価額

Fの価額   不整形地補正率  評価額
79,200,000円×0.84 = 66,528,000円

408㎡の評価額は、66,528,000円でした。