所得税法の社会保険控除の定義は次の通りです.
納税者本人又はその本人と生計を一にする配偶者その他の親族が
負担すべき社会保険料を支払った場合。
1 納税者本人が支払ったものは完全に控除対象です。
(1) 給料から天引きされた健康保険、厚生年金、雇用保険
(2) 納税者本人の国民健康保険、国民年金、介護保険
2 次は納税者本人以外の者の負担すべき社会保険料を納税者が支払った
場合はどうでしょか?
ここで税法の定義に示された3つのキーワードについて考えてみましょう。
A 納税者本人と生計を一にする
B 配偶者その他の親族
C 納税者が支払っている
以上、3つの条件を満たしている場合に社会保険料控除の適用があります。
それでは例を挙げて、一つ一つ検討してみます。
例1 生計を一つにする配偶者が負担すべき国民年金を支払った。
答:これは上の3つのキーワードの全てを満たしているので、納税者が社会保険料控除できる。
例2 年収80万円しかない娘の国民年金を支払った。
答:これもOKですね。
例3 子供の国民年金を数年分まとめて支払った。
答:これもOKです。
例4 父親の公的年金から特別徴収されている介護保険料を自分の控除でおとせるか?
答:支払ったのは父親だから、控除できない。
例5 子供が3月まで学生で、その前の国民年金を支払っていた。4月に卒業、
他県に就職したが、就職先が社会保険加入していなかったので4~12も
国民年金を納税者が支払った。
答:1~3月は控除できるが、4~12月は生計に一にしていないので控除できない。
例6 生計を一にする母の年金から特別徴収された介護保険は控除できるか?
答:支払ったのは母だから、ダメです。
(注) 国民年金は証明書が必要です。もしくは領収書の原本でも結構です。
国保は支払った領収書でもかまいません。