税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

中小企業の「総資本」は独特の数字が見受けられます。

 中小企業の総資本は独特の数字が見受けられます。


  次の数字を見て下さい。


A社  
   総資本        1360万円
   売上高        7000万円

B社
   総資本        3060万円
   売上高        7000万円

C社
   総資本        6360万円
   売上高        7000万円


 A社、B社、C社共に売上高は7000万円ですが、

総資本はまちまちです。


  何故でしょう?


 その理由!

 

  A社は自己所有の土地建物を安い家賃で賃借している為に
 総資本が極端に少なくなっています。
 
 A社の財務諸表はこんな感じでしょう。


       借方               貸方
 
  現金   200万円    買掛金     400万円
  売掛金  600      未払税金     60
  商品   300      借入金     700
  車両   200      資本金     300
  備品    60      繰越剰余金  ー100


  総資本 1360      負債及び資本  1360


   B社は保証金1000万円を支払って店舗を賃借し、商売を
  しています。内装費も700万円支払っています。

 

   C社は会社で土地建物を購入し、営業しています。土地3000万円、
  建物2000万円、合計5000万円が総資本を多額にしています。


  総資本回転率は、

   A社      7000/1360=5.14回転
   B社      7000/3060=2.28回転
   C社      7000/6360=1.10回転

 

  各社の利益はそれほど差は有りません。この時、この回転率の違いに
 どういう意味があるのか疑問ですね。


  一律に教科書通り総資本回転率総資本利益率を、中小企業の場合
 説明できないことがよくお分かりでしょう。