注文書を貰わないで倒産してしまった人がいます。
私の若い頃、まだ税理士試験勉強中のことです。
その人は大手商社の課長さんから、特急の仕事だからと口頭で
億の仕事を受注しました。
まだ、上の決裁を取るのに時間がかかるから
注文書を出せないけど、間違いない仕事だから
仕事にかかっていてくれ、決裁が降りるのを待って
いたら間に合わない、と言われたそうです。
早速、材料を手配して急いで作業にかかりました。
ところが、半分以上加工が進んだところで、突然、
中止してくれ、というキャンセルの申し出です。
相手は逃げの一手です。注文書はないし、結局、
その会社は多額の材料代を払えず倒産しました。
このケースを裁判で争ったら損害賠償金を取れるのか
どうか、と思いますがーーーー。
随分、昔の話で細かいことは忘れましたが、
注文書を貰わないということは致命的な結果になるんだ、
ということをその時、肝に銘じました。
以後、私は些細なことでも、この件をもし裁判で
争ったら勝てるか、といつも自問自答します。
特に税務調査で主張する時はそう考えます。
何でも証拠となる物が必要です。
領収証、納品書、請求書、議事録、注文書、領収証控、
売上伝票、レジペーパー、
これらをきっちり保管することが重要です。