税務会計三直線

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復興財源をどこに求めるかーーー増税か国債増発か!

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 夏を過ぎ、いよいよ、復興が待ったなしになってきました。
 
 しかし、問題はその財源です。
 
 毎年毎年、40兆円からの国債発行に頼っている国家予算で
国債残高は気が遠くなる程に膨れ上がっていますが、
 
 これから先、高齢化社会の進展で、社会保険料給付、医療保険介護保険給付
の増大で益々財政赤字は拡大していくでしょう。
 
 これからは年に60兆円の国債増発でないと間に合わないと
言われています。
 
 経済評論家の三橋貴明氏は「国債を外国人が保有しているわけでは
なく、95%を日本人が保有している、更に、個人金融資産は1400兆円
あるから大丈夫」というけれど、
 
 いつも、ほんとかいな!と思ってしまいます。
 
 逆に、野口悠紀雄氏はその著書、<大震災後の日本経済>で、その考え
は間違いだと言います。
 
 1990年代には家計の預金増加で国債を消化出来たが、2001年以後
は家計の預金が増えず、対企業貸出の減少で国債を消化してきました
 
 しかし、今回の大震災で復興のための資金需要が発生し、金融機関は
貸出を減らし続けられなくなりました。
 
 個人金融資産が1400兆円あるといっても、銀行預金になっているので
あって、銀行は預金の50%以上を国債保有し、ゆうちょ銀行に至っては
国債保有は80%にもなるという話です。
 
 そうなると、増発する国債を誰が買うかということになります。
 
 国債消化が困難になれば国債が値下がりし、金利が増大する、金利
上昇すれば、海外からの資本流入がもたらされ、円高が進行する、
 
 銀行の保有する市場価値は低下する、
 
 こうした事態を食い止めるため日銀が出動すればインフレになります。
 
 国債増発が駄目だということならば、復興財源を税に求める必要が
あるが、この場合は消費が削減され、景気が更に悪くなります。
 
 これまでも財政赤字の問題が議論されてきましたが、それは「10年程度
の後には国債の国内消化が難しくなる」というものでした。
 
 しかし、今回、多額の復興資金需要が一挙に生じたため、早急に
どうするのか決めなくてはならないでしょう。
 
 国債増発か、増税か、----。
 
 今、私は政府の決断を固唾をのんで見守っています。