税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

同族株主以外の株主等が取得した株式は<配当還元方式>

非上場株式の評価の方法は2つあります。
 
1、原則的評価方式
2、配当還元方式
 
この内、前回までの説明は「原則的評価方式」でした。
 
「原則的評価方式」は、
 
1、類似業種比準価額
2、1株当たりの純資産価額
 
の2つの価額を使って株価を計算するものでした。
 
では、どういう場合に「配当還元方式」を使うのかというと、
 
支配株主は、<原則的評価方式>
 
少数株主は、<配当還元方式>
 
とでも分けましょうか。
 
配当還元方式を適用出来ると、株価は大抵、
1/4、1/5と非常に安く評価できます。

しかし、簡単に配当還元方式を適用することは出来ません。

財産評価基本通達188は,
 
配当還元方式を適用出来る場合について書いてあります。

4項に分かれています。

キーポイントとなる数字は、50%、30%、25%
15%です。
 
まず、財産評価基本通達188第1項、を見てみましょう。
 

同族株主以外の株主等が取得した株式は次のいずれか
に該当する株式をいい、その株式の評価は
配当還元方式
による。

(1)同族株主のいる会社の株主のうち、同族株主以外
 の株主の取得した株式。
 
この場合の「同族株主」とは、

課税時期における評価会社の株主のうち、株主の1人
及びその同族関係者の有する議決権の合計数が、

その会社の議決権数の30%以上(議決権総数の
50%超である会社にあっては、50%超)、
ある場合におけるその株主及びその同族関係者をいう。
 
何やら難しい単語が並んでいて分かり難いですね。
 

簡単に言うと、まず、カッコ書きについては、
 

議決権数50%超 同族株主 原則的評価方式等
 

同族株主以外の株主     配当還元方式
 

同族株主で原則的評価方式等としたのは、同族株主
でも配当還元方式を適用出来る株主がいるからです。
 

その点は後ほど説明します。
 

ただ、この場合、同族株主以外の株主は完全に
配当還元方式を適用出来ます。

例を出して考えてみましょう。
 

A株式会社 議決権総数 1000
 

本人A     300(30%)
Aの妻    100(10%)
Aの長男   150(15%)
Aの友人   450(45%)
合計    1000(100%)
 

この場合、本人A及び同族関係者、妻、長男の議決権
の合計数は55%で、50超ですから、
 

3人は同族株主、原則的評価方式等
 

Aの友人は45%で同族株主以外の株主、配当還元方式
 
 
少し説明が長くなりました。今回はこの辺で。