税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

「財務諸表」を読む!正しい財務諸表とは、自己資本が実数値に近いこと、と考えます。


 発生主義での会計利益の操作は貸借対照表上に大きな
歪みもたらせます。

 

 今までたくさんの会社の清算を手がけてきました。

 

 会社を清算するためには会社の資産を全て現金化
しなくてはなりません。

 

 その過程で過去の悪行(笑)が次々に明るみに出ます。

 

 業績が悪く、会社を清算させざるを得ない会社の
自己資本は1/2、1/3と、清算の際に縮小します。


 まず、売掛金です。
 本来、貸倒損失で落とすべき債権がいつまでも
残されています。

 

 在庫ーーーー不良品があたかも正常品のようにカウント
されています。

 

 土地建物ーーーー売却すると多額の売却損が発生します。

 

 車両ーーーーこれも、減価償却を止めていたりする
期間があると、売却損は多額です。

 

 所得税減価償却費は強制償却ですが、法人税減価償却
ナシが許されるためです。

 

 最も、会社法の制定により「中小企業会計基準」なる
ものができて、減価償却費の計上のない会社は融資の際、
不利になるので、最近は償却費ナシは少なくなりました。


 いずれにしても、貸借対照表自己資本の数字が実態
を表しているかを常に検証する必要があります。