令和2年4月1日から施行される配偶者居住権について、
平成31年度税制改正により、配偶者居住権が設定された建物
とその敷地の相続税評価の計算方法が規定されました。
4項目に分かれます。
1、配偶者居住権が設定された建物所有権の評価方法
2、建物の配偶者居住権の評価方法
3、配偶者居住権が設定された建物の敷地所有権の評価方法
4、配偶者居住権が設定された建物の敷地に対する
配偶者居住権の評価方法
上記の内、1,2は建物の評価方法であり、1と2を合計
すると、建物の相続税評価額になり、別に、評価額が増加
するわけではありません。
同じように、3と4も合計すると敷地の相続税評価額に
なり、評価額は変わりません。評価額を2つに分けただけです。
①、配偶者居住権が設定された建物所有権の評価方法
算式
*1 *2 *3 *4
建物の (耐用年数×1.5)ー居住権の存続年数 配偶者居住権の
相続税× ×存続年数に応じた
評価額 (耐用年数×1.5)ー経過年数 民法の法定利率に
よる複利現価率
*1、建物の相続税評価額は固定資産税評価額の1倍です。
*2、1.5を乗じるのは居住用であるからです。
*3、居住権の存続年数は、配偶者の完全生命表による平均余命
(6カ月未満切捨て)を上限とする。
完全生命表の平均余命表
完全生命表 の 平均余命表 (抜粋)
平均 余命 平均 余命
男 女 男 女
50 32.36 38.07 82 7.7 10.28
55 27.85 33.38 85 6.22 8.3
60 23 51 28.77 87 5.37 7.12
65 19.41 24.24 90 4.27 5.56
70 15.59 19.85 93 3.4 4.29
75 12.03 15.64 95 2.98 3.64
80 8.93 11.71 100 2.18 2.5
*4、民法の法定利率は現在 3% です。
年3%の複利原価表
年3%の 複利 現価表 (抜粋)
年数 複利現価 年数 複利現価 年数 複利現価
1 0.971 7 0.813 15 0.642
2 0.943 8 0.789 20 0.554
3 0.915 9 0.766 25 0.478
4 0.888 10 0.744 30 0.412
5 0.863 11 0.722 35 0.355
6 0.837 12 0.701 40 0.307
②、建物の配偶者居住権の評価方法
建物の相続税評価額ー上記①の評価額
③、配偶者居住権が設定された建物の敷地所有権の評価方法
土地の相続税評価額×配偶者居住権の存続年数に応じた
民法の法定利率による複利現価率
④、配偶者居住権が設定された建物の敷地に対する
配偶者居住権の評価方法
土地の相続税評価額ー上記③の評価額
規定された相続税評価方法を見ただけではわかりにくいと
思いますので、次回は具体例を紹介いたします。