アパート等で課税時期に空室の場合は、借家権の控除を認めない
ことになっています。
この規定は宅地の評価における貸家建付地の評価にも、
貸家にも算式に含まれています。
賃貸割合の算式は、
(A)の内課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計
その家屋の各独立部分の床面積の合計(A)
面積の割合ですから、6部屋200㎡のアパートでも、50㎡の
部屋が2部屋空いていたら、借家権は半分しか認められない
ことになります。
但し、緩和措置として、
、継続的に賃貸されていたアパート等に課税時期において
一時的に空室であったと認められる部分がある場合には、
その部分を含めて全体を課税時期において賃貸されていたものとして
、貸家建付地として評価して差し支えないものとする緩和措置が
通達に明示されています。(相続税基本通達26)
『継続的に賃貸されていたアパート等で課税時期において
一時的に空室であったと認められる部分』に該当するか否かについては、
国税庁において、次のように示されています。
(イ) 各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか。
(ロ) 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか。
(ハ) 空室の期間、他の用途に供されていないかどうか。
(ニ) 空室の期間が、課税時期の前後の例えば1か月程度で
あるなど一時的な期間であるかどうか。
(ホ) 課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうか。
当事務所の過去の相続税申告においての例です。
地方の田舎に6部屋のアパートを持っていて、3部屋空いたまま、
募集しても1年近くも入居者がなく相続開始しました。
基本は1か月ルールとか言ってますが、募集しても入居者が
ないのでは仕方がないと考えて、宅地も建物も100%
借家権の控除をしましたが、税務署の否認はありませんでした。