相続が開始すると、土地や預金と言った財産を引き継ぐ他に、
借金や未納税金などの債務も引き継ぐことになります。
相続税計算ではこの債務をもれなく計上することによって、
相続税を軽減することができます。
Ⅰ、具体的に、どのような債務があるか列挙してみますと、
1,借入金
2,未納の固定資産税、所得税等の税金
3,翌月払い等になっている公共料金の未払、電気、ガス、水道代等
4,事業上の買掛金、未払金
5、不動産賃貸の場合は預かり敷金、保証金
6、未払医療費
7、その他の未払金、、亡くなった方が生前に使用したクレジットカード分や、
月賦で購入した商品の未払等
いずれにしろ、本人しか分からない未払もあるでしょうから、
相続開始後の預金から天引きされている金額を詳細にチェックすることを
お勧めします。
Ⅱ、未払医療費
亡くなった時、未払だった医療費が控除の対象となります。
亡くなる前に払った医療費は所得税の医療費控除の対象となるため、
区別が必要です。
Ⅲ、借入金
金融機関等の第三者からの借入金は債務控除の対象となります。
控除できる債務は「確実なものに限る」と相続税法で規定されていますが、
特に書面でかわされたものでなくても、確実に弁済すべきものであれば控除
できます。
Ⅳ、連帯債務
被相続人が連帯保証人になっていて、被相続人が負担すべき分の債務は控除
対象となります。
Ⅴ、債務控除の対象とならない債務
①、墓地や仏壇を購入した未払金
これらは相続税法上非課税財産となっているため、生前に購入した未払金は
債務控除できません。
②、相続財産の維持管理費用、遺言執行費用
相続開始から遺産分割が決まるまでの相続財産の維持管理費用や遺言執行
のための費用、例えば、弁護士や司法書士への支払い等は、相続人が負担
すべき費用なので、債務控除の対象となりません。