上に掲げた機械器具小売業の全企業平均の変動損益計算書
を見て内容をどのように判断しますか?
経常利益が赤字になっているから、どこか悪いところが
あるのは明白です。
もう一度、簡略化した数値を書いて見ましょう。
売上 185,554千円
変動費 135,875
限界利益 49,678 (100)
人件費 27,050 (54.4%)
経費 23,448 (47.2%)
経常利益 ー 820千円 (-1.6%)
パッと目に付くのは経費の限界利益に占める割合が47.2%
と、多いことです。
但し、だから経費を削減しろ、という結論は早計です。
超繁華街に出店したために家賃が異常に高くて、経費の
比率が上がっているかも知れません。
それでも、限界利益が高く、人件費が世間相場以上に
支給されていて、更に、利益も出ていれば問題ないわけです。
一番重要なことは、最終利益が限界利益に対して「15%」
以上あることです。
残りの85%を人件費と経費に按分していきます。
経費が25%なら、人件費は60%。
経費が45%なら、人件費は40%、です。
普通の経営なら、経費は限界利益に対して「35%」以内に
収めたいですね。
人件費 50% 経費 35% の配分です。
さて、そこで、タイトルの限界利益に占める経費の割合を
考えていきます。
1、経費が多いのか?
2、限界利益が少ないのか?
3、あるいはその両方か?
経費の支出が正常なら、経費が正常な割合に収まるように
限界利益を増やします。
限界利益が平均的数値なら、経費が多いわけですから、
経費を削減していきます。
この場合に、限界利益が正常だとか、経費が多いとかの
判断は一人当たりの数値で、業界平均との比較や世間相場
との比較で見ていきます。