税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

木造アパートを4000万円で建築、全額借入がいいか、半額借入か?

 土地は自己所有という前提です。
 
 こういう質問はよく受けます。
 
 色々な条件を総合的に勘案してみないと答えは出て来ません。

1,利回り
2,所得税の問題
3,相続税の問題
4、キャッシュフローについて
 
 今日はこのうち、相続税の問題について考えてみましょう。
 
1,半額借入金の場合の相続税課税価格
 
  今、手持ち現金が2000万円あったとして、
 
  建築価格4000万円の内、2000万円を現金、
 残りの2000万円を借入した場合の相続税課税価格は、

  建物の相続税価格は市の評価額である固定資産評価額
 の0.7で評価します。
 
  市の評価額はおおむね建築価格の55%位ですから、
 
 4000万円×55%×0.7=1540万円ーーー建物評価額
 
  相続税の課税価格は
 
 建物    現金   借入金
 1540+ 0  ー2000=ー460万円
 
2,全額の4000万円借入した場合の相続税課税価格
 
 建物    現金   借入金
 1540+2000ー4000=ー460万円
 
 結局、相続税課税価格は同じでした。

 では、どんな場合に違いが出てくるかというと、
 
 手持ち現金が0円で、全額借入金で建築すると、
 
 建物    現金   借入金
 1540+ 0  ー4000=ー2460万円
 
 この場合、相続税課税価格を2460万円減らした
ことになります。
 
 しかし、建築主が80歳以上の高齢である時などは有効
でしょうが、キャッシュフローに問題が出てきます