税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

非上場株式等についての相続税の納税猶予制度!

 この法律は平成21年に出来たばかりのほやほやですが、
非常にインパクトの強い法改正だと思っています。
 
 
 概要は、
 後継者である相続人等が、相続又は遺贈により非上場会社
の株式等を取得した場合、一定の要件を満たせば、その株式等
に係る課税価格の80%の相続税が猶予される、というものです。
 
 この制度を解説するだけで優に一冊の本が出来る程の量
ですが、適用要件だけ、列挙してみます。
 
 問題点は2つに分かれます。
 
経済産業大臣の認定>、と、<税法上の要件>です。
 
 相続開始前に、経済産業大臣の認定を受けておく必要があります。
 相続が開始してからでは、この制度の適用は出来ません。
 
Ⅰ 経済産業大臣の認定等
 
 1、経済産業大臣の確認ーーーー相続開始前であること、
 
 2、経済産業大臣の認定ーーーー相続開始から8カ月以内に認定の申請、
 
 3、経済産業大臣への報告ーーー相続税申告後、
 
Ⅱ 税法上の要件
 
1、親族間の事業承継であること、
 
2、一族で50%超の株式を所有していること、
 
3、相続税の納税猶予の対象になるのは、その会社の発行済株式総数
  の3分の2まで、
 
4、上記、3分の2に対応する相続税の80%に相当する相続税
  納税猶予される

5、被相続人の要件、
 
  ① 会社の代表者であったこと(相続開始直前に代表者でなくても良い)
 
  ② 相続開始直前において、同族関係者と合わせて議決権株式総数
    の50%超を保有し、かつ、同族内(経営承継相続人を除く)で
    筆頭株主であった場合、
 
 
6、経営承継相続人の要件、
  ① 相続開始から5カ月後において会社の代表者であり、被相続人
    の親族であること(1つの会社につき適用者は一人)
 
  ② 相続により、同族関係者と合わせて50%を保有し、かつ、同族内
    で筆頭株主となること、
 
7、猶予されている相続税の納付が免除される場合、
 
  ① 免除届出書の提出が必要、
 
  ② 後継者が死亡した場合、
 
  ③ 申告期限後5年を経過した後に、後継者が次の後継者に自社株を贈与し
    、その後継者が「非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例」
    を受けた場合、
 
  ④ 5年経過後に会社が倒産した場合、
   
8、納税猶予の取り消し
 
  ① 自社株式を売却した場合、
 
  ② 後継者が会社の代表者でなくなった場合、

 まだまだ、沢山ありますが、大まかにはこんなところでしょうか。
 
 この制度をうまく使えば、代々にわたって自社株にたいしての相続税
免除を受けながら、会社を存続させていくことが出来ます。
 
 自己資本の厚い優良会社は特にメリットが大きいと思いますよ。