税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

<特定同族会社事業用宅地等>地代・家賃はどうなっているか?

<特定同族会社事業用宅地等>が適用出来る為の
要件を4つ挙げました。
 
1、法人の要件
2、取得者の要件
3、建物の所有者の違い
4、地代・家賃の有無
 
この内、1と2を前回説明しました。
 
今回は、
3、建物の所有者による違い
4、地代・家賃の有無について説明します。
 
3、建物の所有者による違い
 
建物の所有者による違いは大きく分けて5つに分かれます。
 
所有者の違いと地代・家賃の有無で特例の適用
がどのようになるかを見てみますと、
 
A、建物の所有者が被相続人
 
 同族会社からの家賃有償         80%
 
B,建物の所有者が生計一親族
 
 ①、地代が無償、家賃有償        80%
 ②、地代が有償、家賃有償        50%
 
②の場合は宅地所有者である被相続人が地代有償
で貸しているので、<貸付事業用宅地等>になります。
 
 
C、建物の所有者が特定同族会社
 
 ①、地代が無償                0%
 ②、地代が有償               80%
 
80%の特例を受ける為には、あくまで事業用でなけれ
ばなりません。
 
地代が無償の場合は事業とならず、この特例を
受けられません。
 
事業となるためには、あくまで、継続的な収益が必要
です。
 
どの位の地代なら良いかはっきりした規定はありませんが、
少なくとも固定資産税の2、3倍の地代は必要でしょう。
 
私は固定資産税の3倍の地代をいつも勧めていますが。
 
D、建物の所有者が生計別親族
 
特例対象となるのは常に被相続人又は生計一親族の
場合だけですから、生計別親族、他人はこの特例の
対象外です。
 
 ①、地代が無償               0%
 ②、地代が有償              50%
 
地代が有償の場合は<貸付事業用宅地等>となります。
        
E、建物の所有者が他人
 
 ①、他人の場合は借地権設定になって全くこの特例
  の対象外になります。
 
 
 
例によって、80%の適用がある典型的な
パターンを図で示してみましょう。
 
A,建物の所有者が被相続人
 
特定同族会社の
一般事業
同社継続
申告期限まで
事業継続
土地
役員たる親族
が取得
申告期限まで
保有継続
80%適用
 
B,建物の所有者が生計一親族
 
特定同族会社の
一般事業
同社継続
申告期限まで
事業継続
土地
役員たる親族
が取得
申告期限まで
保有継続
80%適用
 
C,建物の所有者が特定同族会社
 
   、地代が無償
 
特定同族会社の
一般事業
同社継続
申告期限まで
事業継続
土地
役員たる親族
が取得
申告期限まで
保有継続
0% 適用なし
 
   、地代が有償
 
 
特定同族会社の
一般事業
同社継続
申告期限まで
事業継続
土地
役員たる親族
が取得
申告期限まで
保有継続
80%適用