税務会計三直線

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同族株主のいる会社の判定、30%以上50%以下の場合!

配当還元方式を適用出来れば、株価は驚く程
安く評価できます。

財産評価基本通達188は4項にわたって
配当還元方式を適用出来る場合を規定しています。

前々回、第1項、同族株主50%超の場合を
紹介しました。

第1項は実は、基本は、同族株主30%以上50以下、です。。

第1項は結局、同族会社のいる会社として2つ
の規定が存在します。

1、株主グループの議決権割合が50%超の場合、

50%超は、同族株主、原則的評価方式等

50%以下は、同族株主以外の株主、配当還元方式

2、株主グループの議決権割合が、30%以上50%以下の場合、

30%以上は、同族株主、原則的評価方式

30%未満は、同族株主以外の株主、配当還元方式、

50%超のグループがいない場合があります。

その時は30%以上で判定します。

例を挙げてみましょう。
 
A株式会社 合計の議決権数 1000
 

山本太郎   250  25%
山本の妻   100  10%
山本の長男 100  10%
友人A     200  20%
Aの妻     150  15%
友人B     150  15%
Bの妻      50   5%
計       1000 100% 
 

山本太郎のグループは45%なので、

同族株主、原則的評価方式等

友人Aのグループは35%で30%以上なので、

同族株主、原則的評価方式等

友人Bのグループは20%で30%未満なので、

同族株主以外の株主、配当還元方式
 
となります。

次回以降に説明しますが、
 
結局、原則的評価方式となるか、配当還元方式と
なるか、判定では、あと2つのことが問題になります。
 
同族株主の問題は大きく分けて、
 
① 同族株主のいる会社、
② 同族株主のいない会社、
 
に分かれます。
 
同族株主のいる会社の株主の中には、議決権割合5%未満
という少数株主もいます。

これらを整理すると、4つに分かれるわけです。
 
1、同族株主のいる会社
 
  ① 議決権割合 30%以上50%以下のグループ
  ② 議決権割合 50%超のグループ
  ③ 議決権割合 5%未満の少数株主
 
2、同族株主のいない会社
 
次回は、5%未満の少数株主について説明します。
 
 
 
以下に<財産評価基本通達188第1項>の原文を
掲げておきました。参考にして下さい。
 
 

(同族株主以外の株主等が取得した株式)

188 178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫の
「同族株主以外の株主等が取得した株式」は、
次のいずれかに該当する株式をいい、その株式の価額は、
次項の定めによる。
(昭47直資3-16・昭53直評5外・昭58直評5外・平15課評2-15外・平18課評2-27外改正)
 
(1)同族株主のいる会社の株式のうち、同族株主以外の株主の取得した株式
 

 この場合における「同族株主」とは、課税時期における評価会社
の株主のうち、株主の1人及びその同族関係者
法人税法施行令第4条*1
に規定する特殊の関係のある個人又は法人をいう。以下同じ。)
の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の30%以上
(その評価会社の株主のうち、株主の1人及びその同族関係者の
有する議決権の合計数が最も多いグループの有する議決権の合計数が、
その会社の議決権総数の50%超である会社にあっては、50%超)
である場合におけるその株主及びその同族関係者をいう。
 

 

*1:同族関係者の範囲